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フランスのテレビは今

  某ブログでテレビの話題が出ました。フランスのテレビ事情について書ければいいのだが、と思いはしたのですが、私は普段あまりテレビを見ていないので、それほど詳しく知っているわけではありません。そこへ折りよく、前に紹介したテレビの雑誌(その記事はこちら。)、テレラマの最新号にテレビについてのアンケートの結果についての記事が載りました。


 その記事を紹介するという形でフランスのテレビ事情について書きたいと思います。アンケートについての記事は3つあり、全部で6ページに渡っています。


 一つ目の記事は一口に言えば、公営テレビの責任者が変わり大幅な改革・改善が期待されていたにもかかわらず、アンケート結果では前と大差ないと思っている人が多いこと、民放と比べて番組内容が少し違うと感じている人が半数を若干上回っていることが述べられています。それにしても私はこの記事にを読みながら、「やっぱり私はテレビを見ていないなー。」と思ってしまいました。例として挙げられているテレビの司会者や番組名で知っているものが少ないんです。


 まあ、それは置いといて、ここでは二つ目の記事を中心に紹介します。France, ta télé roupille !   (フランスよ、お前のテレビは眠っているぞ!)と題する記事です。


 記事は若者層と年配者層ではアンケート結果に差がある、という点に注目しています。以下原文が、拙訳が、私が黒字です。


 

 Comme en 2006, les jeunes font preuve d’une plus grande indulgence à l’égard du petit écran (64% de satisfaits). Pas vraiment étonnant. Ils sont beaucoup moins accros à la télévision que leurs aînés (1h58 en moyenne par jour chez les 15-24ans), trouvent dans les chaînes privées des programmes qui leur conviennent et ont surtout une relation bien moins passionnelle avec un média qui n’est plus pour eux qu’un écran comme un autre- --- ordinateur, téléphone portable, baladeur numérique.


 [拙訳]


 2006年同様、若者はテレビに対して大きな寛大さを示した。(満足度64%)さほど驚くことではない。彼らは、その上の世代よりテレビへの中毒度がずっと低く(1524歳では一日平均1時間58分)民営テレビにも自分たちに合う番組を見出している。そして特に、彼らにとっては他の画面 ―― パソコン、携帯電話、デジタルヘッドホーンステレオ ---- に比べて特別なものではないメディアに対して夢中になっていない。



  テレビ以外で時間を使うものがある若者の姿に触れています。これは日本も同様なのではないでしょうか。若者層以外の反応は以下の通りです。 


 


  En 2007, une majorité de Français (54% contre 55% en 2006) continue d’estimer que les programmes sont moins bons qu’avant. Toujours cette tendance à sublimer le passé. Cette mémoire parcellaire qui se rengorge des grandes heures de la télévision publique et oublie l’asservissement de l’information, la pudibonderie, l’absence d’écriture télévisuelle, le manque de choix, la médiocrité technologique.


 


[拙訳]


 2007年、フランス人は大半(2006年の55%に対して54%)は番組が以前ほど良くないと思い続けている。常にこの過去を美化する傾向がある。細切れにされた記憶は、公営テレビの栄光の時代に胸を張っており、情報の制御やお上品ぶっていることや、テレビ的な文体の欠如、選択の少なさ、技術的な凡庸を忘れている。



 昔はよかった、というやつですね。でも記事の引用部後半で昔だって薔薇色ではなかったことを指摘していますね。ここで少し驚いたのは、テレビにもテレビらしい文体というかスタイルを求める態度です。さすが、知的と言われるテレビ雑誌の記事ですよね。そして最後の文(実は文じゃないのですが。)最初読んだときは気が付きませんでしたが、翻訳していて困ってしまいました。動詞がなーい。文じゃないんです、これ。夫は文頭に「c'est...」が省略されている文学の手法だとというんですけど、迷惑な話です。



 テレビは私は娯楽のためのものだと思っていたのですが、昔は知的な機械で、知識を得るための道具だと考えている人も多かったのかもしれません。


  


…..le savoir est une valeur à la baisse. Or, à partir du moment où le savoir perd de son prestige et qu’à l’inverse le manque de savoir n’inspire plus ni l’opprobre ni la honte, la nécessité de se valoriser en prétendant, par exemple, que l’on passe ses soirées devant Arte disparaît …


 


[拙訳] 


 知識は価値が下がっている。知識が威信を失い、逆に知識の不足が汚名や恥ではなくなったときから、例えばアルテを見て夕べを過ごすと言って自分の価値を高める必要もなくなった。



 Arteというのは文化的なドキュメンタリーなどを専門にしているテレビ局の名前です。このテレビ局の番組は真面目なものが多く、エンターテイメント的な映画や歌番組は一切ありません。映画をやるときも芸術至上主義が前面に出ています。このテレビ局の人気が下がっているらしいです。知識を得るのは他の方法で行い、テレビは娯楽のためのものになっていっているのですね。若者のテレビ番組に対する評価の甘さも、多くを期待していないからではないでしょうか。


 


 三つめの記事は、テレビは何に取って変わられているのか、という話です。予想できますが、インターネットと携帯電話です。インターネット、携帯電話、テレビ、ラジオの中でどれか一つだけ取るとするとどれにするか、という質問(個人的にはこの質問が愚問だと思うんですが。)に対して18−24歳の層は44%がインターネット、33%が携帯電話を選択しています。そして65歳以上の層ではテレビが一位の44%、27%がラジオ、インターネットは3位の18%ということでした。インターネットがあったらテレビも全部ではないけれど見られると思ってしまうのですが、この年齢層では使ったことがない人が多いのでしょうね。



 以上この記事から見たフランスのテレビ事情は、同じような番組が多く新しさに欠ける、若い人は昔に比べて番組が良くなったとしているが、前の方が良かったという人が多く、テレビ離れが始まっている、そしてテレビはインターネットや携帯に取って変わられつつある、ということです。断片的に伝え聞いた日本の事情と似ていると思いました。


 


 

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プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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