昨日の夜、チッチのクラスの保護会があり、出席しました。チッチの学年はCE2と呼ばれる、小学校の3年目の学年です。担任の先生が実は二人います。一人は小学校の校長も兼任しており、校長職半分、担任としての仕事半分、という勤務形態になっているので、もう一人、フルタイムの半分の時間働く、ハーフタイムの先生がいます。だから二人で先生一人分の仕事になるわけです。説明によると、二人で授業を分担し合い、読み物はA先生、文法はB先生、幾何はA先生、計算はB先生などと決めてあるそうです。宿題は、この学年は他のクラスもそうですが、明日までにやる、というのではなく、1週間ぐらい先の日付を期限として、早めに課題を出すので、A先生の宿題はA先生自身が見る、というようになっています。自分の予定を考えて、段取りをつけて宿題が出来るようになる、というのも教育目標の一つのようです。(実際にはまだ、この年齢では宿題のスケジュールを全部一人で作るのは難しいので、親がチェックする必要があります。)
保護者会はチッチのクラスの教室で行われました。入ってすぐ黒板に「Martedi 25 settembre」と書いてあるのが目に入りました。黒板の横にはカレンダーのような紙が張ってあり、一枚一枚にAGOSTO 、SETTEMBRE、 OTTOBRE、 NOVEMBRE、 DECEMBRE、と書いてあります。これ、全てイタリア語です。フランス語の掲示もあるんですが、なんだか目に付くように大きく書いてあるのはイタリア語で「え?」と思いました。
チッチのクラスはイタリア語を勉強しているんです。
小学校では外国語は必修ではありませんが、先生によっては、小学校で語学を教える資格を持っている人がいて、資格のある先生がいる場合、その先生の資格のある言語を週に2回程度勉強することが出来るようです。チッチの小学校は資格を持っている先生がそろっており、イタリア語以外に、英語とドイツ語の先生がいるそうです。
長女のえが小学校の2年目、CE1のときには、クラスメートのイギリス人のお母さんが学校に時々来て、ボランティアで英語を教えていました。これは正規の授業ではなく、特別活動でした。それからCM1(小学校4年目)のときには英語の授業があり、先生の知り合いのアイルランド人の学生さんが教室に来て会話の授業をすることもあったようです。それからCM2(小学校5年目)では、先生がドイツ語の資格を持っていたのでドイツ語をやっていました。
外国語の授業と言っても、小学校ですからイニシエーション、という感じで、文法体系や綴りの説明はなく、文章ごと覚えて口頭で言う、という勉強でした。それでも各自、名前や電話番号を聞かれて答える、などの口頭テストが時々ありました。(そのころ、カナダの英語圏出身のベビーシッターさんに来てもらっていたので、テストのための口頭練習をやってくれていました。)
チッチは担任の先生がイタリア語の資格を持っているのでイタリア語をやることになったようです。親も、始めるまで知らされていませんでしたし、どの言語を勉強したいか、などのアンケートなどは一切なく、有無を言わせず、クラス全員イタリア語をやることになったのです。長女の英語、ドイツ語のときも、親や本人の希望などは一切問われることなく始まりました。中学校でやる外国語は言語を選択するのですが、小学校は選択権はなく、やるかやらないか、どの言語をやるか、の一切が学校に任されています。
さて、チッチのイタリア語ですが、「こんにちは、先生。」「さようなら、先生。」という挨拶に始まり、日付や自分の誕生日を言ったり、名前を言ったり、という程度のことは出来るようになっています。(イタリア語のカレンダーのようなものは、誕生日の表だったのです。8月のところにチッチの名前が書いてありました。)綴りは一切勉強していないようで、教科書もなく、プリントなども家に持って帰ってこないので、家庭で復習はできません。先生に「きちんと覚えていない文もあるようだから、家で復習できるようなプリントはないのか。」と尋ねたら、口頭で覚えるメソッドだから必要ない、イタリア語の発音に自信がある人以外は、家で教えないで欲しい、と言われました。文法や語彙の正しい理解よりも、自然な発音を身につける、ということが目標のようです。
リヨンでもイタリア語をやっている小学校はあまりないらしく、姉妹都市提携をしているトリノ市との交流プログラムに、リヨン中からただ一クラス、チッチのクラスが参加することになりました。そのプログラムの一環として、トリノの同年齢の小学生を各自correspondant(通信相手)として割り当てられ、12月にリヨンに来るその子供たちと一緒に、リヨンの宿泊施設に一週間泊まりこみ、交流会やリヨン見学を一緒に行うそうです。在リヨン・イタリア領事館や市役所の国際交流関係の人たちのお世話になるようです。
そして春には、チッチのクラス全員がトリノに一週間招待されて、12月に知り合った子供たちと、今度はトリノで一緒に過ごす予定です。なんだか大掛かりなプログラムですよね。校長曰く、「非常に運が良い。」。全くです。なかなか得がたい経験となるのではないでしょうか。
それでチッチも、イタリアやイタリア語への興味が高まっています。交流相手のトリノの小学生はフランス語を勉強している、ということですが、チッチのイタリア語と同じようなレベルのはずですし、今から12月までに多少上達するにしても、どんな交流になるのか、交流なんてそもそも出来るのか、と思ってしまいますが、何年も前からいろいろな国と交流を重ねているらしく、フランス人はフランス人と、イタリア人はイタリア人で、という風にはならない、と説明がありました。
今年から突然始まったイタリア語の学習ですが、小学校卒業まで3年間続ける予定だとか。長女のときは、英語1年、ドイツ語1年と中途半端になってもったいない気がしたので、チッチはイタリア語に集中できて良いと思っています。3年やると、小学生のやり方であっても、ある程度のレベルに達するので、中学校に入ったら英語なりドイツ語なり、他の言語をやるといい、と校長先生が言っていました。(第一外国語にイタリア語は普通ありません。)
うちはイタリア語は誰も分からないので、チッチは得意げに覚えたことを披露しています。語学好きの私には物珍しく、一緒に楽しんでいます。チッチの覚えてきたこと、というのが結構怪しげなんですけどね。クラスにはイタリア系の家庭もあるそうで、イタリア語が分かる子もいるようです。チッチは「フランス語と日本語に、イタリア語。これで3つ。中学校に行ったら英語をやるんだ。」と言っていました。思わぬ言語を勉強することになり、交流プログラムにも参加できることになって、子供なりに夢を持つことが出来て良かったと思っています。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
おたくのお子さんたちは日本語ができるので、発音的にかなり近いイタリア語は楽勝じゃないですか?
実はうちの長男の通うクラスは独仏のバイリンガルクラスです。
将来的にはフランスのバカロレアも視野に入れているようです。
で、やはり姉妹都市のモンペリエの学校と行き来してます。
今年は、お互いの家庭に11日間ホームステイ!
でもうちにきた子はかわいそう…ドイツ語は家で誰も話しませんからね。