パリ大学で言語学を専攻していたころ、ロマンス語の比較言語学の授業でラテン語が頻繁に出てきて、ラテン語を少し勉強したほうがいいかな、と思い始めました。同じ頃、仲良くしていたクラスメートのフランス人が、言語学と同時にソルボンヌで古典文学を専攻しており、ラテン語・ギリシャ語の先生を志望していたので、自然と古典語についての話題が会話に出てきました。
こんな環境でラテン語に興味がわき、独習用のメソッドを探してみましたが、なんと一つしかありません。しかもそれは細かい字がぎっしり詰まっていて挿絵も何もなく無味乾燥でとっつきにくい代物でした。大学では初心者向けの授業も開講されていたので、そのテキストも買ってみました。でもやはり一人で勉強するには抵抗があるものでした。大学の授業を選択するには時期的にも遅く、翌年には他の授業で忙しくラテン語にまで手が回らず、そのまま2年ほど過ぎました。
その後、たまたまラテン語の先生と知り合い、上の教科書を薦められたのです。独習用ではないけれど、説明がきちんとしているので一人でも十分勉強できる、というのがその先生の意見でした。見ると、カラーの写真や図版が豊富で見た目にも楽しそうで、活用の表などの文法のまとめも入っていて、興味を感じました。でも練習問題の答えは載っているのでしょうか。こう質問すると、その先生は、「答えは付いていないけれども、練習問題はやれば分かるものだから大丈夫。」ときっぱりおっしゃいました。そこに、その本で独学している人から「分かりやすいので独習でも問題がない」と聞き、高価な本でもなかったので、とりあえず購入しました。
こんなところに載せていいのかとも思いますが、中身をちょっとお見せしたくて写真を撮ってみました。採光が違っているので写真の色が変わってしまいましたが、大体雰囲気はつかめると思います。


こんな感じで、カラー刷りの写真か絵か漫画が見開きのどこかに入っています。今の教科書は全てカラー刷りのきれいなものばかりですから、これぐらいは普通ですね。
各課の本文は、短いですがローマ史に関連した原典からの抜粋で、行間に訳語が出ていて、生徒の理解を助けてくれます。ラテン語を勉強しながらローマの歴史や文化に親しめるようになっていて、ローマ文化がその後の芸術に及ぼした影響について、美しい写真入りで説明するコラムもいくつかあります。楽しく勉強できそうな教科書です。
今見ると4課まで勉強した形跡があります。24課までありますから、始めのほうでやめてしまっていますね。今は中国語をやっていますから無理ですが、また余裕が出来たらいつか勉強したいとは思っています。
ところで、昨日の記事を読まれた方は、お気づきになったかもしれませんが、ラテン語を始めるのは5ème なのに、どうして私は4ème の教科書で入門していたのでしょう。
ラテン語の先生によると、5ème の1年間はイントロダクションで、ラテン語とフランス語の関わりやラテン語とはどういうものか、などを見ていくのだそうです。文法の初歩は4ème から始まるので、いきなり4ème から勉強をはじめて構わない、と言っていました。だからこの教科書のシリーズは5èmeから3èmeまで出ていますが、私が買ったのは4èmeなのです。
この本を紹介してくれた人とは違うラテン語の先生から聞いたことですが、教育相の方針変更でラテン語の教科書の改訂があったらしいです。でも前の教科書のほうが体系的で分かりやすくて良かった、と言っていました。上の写真の右側が、その改訂によって悪くなった教科書なのかどうかは分かりません。
ラテン語について調べていたらこんな自習用のサイトを見つけたのでここに掲載しておきます。フランス語のサイトです。辞書があるのが私にはうれしいです。
ローマ史を扱っているという素材も面白そうですし、フランスの中学生は恵まれていますね。(当人たちはそうは思っていないでしょうが)
全部横文字なので難しそうに見えますけれど、ラテン語とフランス語は近い言語ですから、日本語で学ぶよりも理解しやすいかなと思います。
解答が付いていないのは日本でも同じです。あれはどうしてでしょうね。「やれば解るから」が理由のようですが、これから始めようという人にそんなことを云っても困らせるばかりです。
私が最初に使ったテキストは市販の参考書でしたが、やはり解答なしでした。そこで先生が自習する時のためにと、著者本人から貰ったという解答集を分けてくださいました。あるなら付けて売れば良いのにとちょっと呆れたものです。
昨日の記事にもありましたが、古典語の先生になるにはラテン語とギリシャ語を両方ともマスターしていなければならないのですか!? いくらなんでもハードルが高すぎる、と思わずのけぞりました。