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フランスの懐深さ

  先日、長女の中学校の新学期、学校まで送って行きクラス分けの表を見たことを書きましたが、そのときに驚くことがあったので、そのことを今日は書きたいと思います。夫に話しても信じてくれないんですけど、本当の話です。


 掲示板には各クラス別に生徒の名簿が張り出してありました。学年、クラス、担任の名前、そして生徒のリストが続きます。まず姓を大文字で、そのあと名前を小文字で続けます。もちろん姓のアルファベット順です。男女別ではなく、男女混ぜてのアルファベット順です。ここまでは、普通ですよね。


 その後、生徒の合計が記載されていました。


Filles               12                 女子 (女子が最初に書いてありました。)


Garçons          14      男子


Total      26      合計
(Sans sexe inclus)   (性別なしを含む。)


何ですか!?性別なしって!そんなことあるんですか?


 この紙は公的な用紙っぽかったので、教育相が作成して全国の学校に配布している用紙なのかもしれません。あらゆる場合を考慮に入れて作成されているということでしょうか。 

 昔、育児雑誌で読んだことがあります。稀に、ごく稀だとは思いますが、生まれたとき性別がはっきり分からないことがあるそうです。そういう時は、男女両方に使える名前を選び、性別は「未定」として出生届を出し、性別がはっきりした時点で、新たに性別を届け出る、と書いてありました。


 でも、中学生になってまだ性別が分からないということはないと思うので、これは単に提出書類の性別欄の書き漏れなどによって、性別が分からない場合に備えての一言なのかな、と思いました。真相は分からないですが・・・。


 このことから、フランスでは公的書類もあらゆる場合にも対応できるよう考えて作成してある、ということを思い出しました。


 日本では、何かの申込書やアンケートなどで、未婚・既婚のどちらかを選んで丸を付ける、ということがありますね。ほとんどの場合、この二つしか選択肢がないと思うのです。前は結婚していたけど今は独身、という場合もあると思うのですが、そういう場合どちらに丸を付けるのか、と考えてしまいます。


 フランスはそういう心配はあまりありません。税金の申告はもちろんのこと、いろいろな申込書やアンケートに至るまで、未婚・既婚だけでなくもっと多くの選択肢が用意されているのが普通です。でなければ知る必要がないということなのか、家庭の事情(と言うのでしょうか。)には触れません。通常以下の選択肢があります。


célibataire     独身


marié(e)      結婚している


séparé(e)     別居中


divorcé(e)     離婚した


veuf / veuve   やもめ、寡婦 


concubinage  同棲


さらに


mère célibataire    未婚の母


が入っていることもあります。


 何だか立ち入ったことを聞くようで失礼のような気もしますが、未婚・既婚だけで、それ以外を切り捨てるのとどっちが失礼か考えてしまいますね。


 3人に1人が婚外出産とか結婚したカップルの47%が離婚する(ピークは3年目と15年目だとか。)という統計を見たことがありますから、特殊そうに見えるケースもさほど特殊ではない、という現実に対応するためなのでしょう。批判がましいことは言わずに選択肢の一つして挙げておく、という態度は、なんだか寛容の精神の現れのように思えてきます。


 上記の中のVeuveは、Madameの代わりに肩書きとしても使われることがあったようです。詩人のアルチュール・ランボーのお母さんは


Veuve Rimbaud


と署名していたようですし、シャンペンの銘柄として有名な


Veuve Clicquot


は「クリコ未亡人」という意味で、夫亡き後、家業を切り盛りして今のシャンペン・メーカーとしての地位を築いた夫人の名を冠しています。


 余談ですが、このヴーヴ・クリコというシャンペンを出している、クリコ・ポンサルダンというシャンペン会社のサイトを見てみました。日本語版もあります。フランス語のほうが内容が豊富ですが、日本語サイトはフランス語サイトにはないアートっぽい動画がありました。お暇な方は見てみてください。クリコ未亡人の肖像画もありますよ。決して美人とは言えませんが。こちらです。 


 昔、シャンパーニュ地方に住んでいたとき、クリコ・ポンサルダンのカーヴを見学したことがあり、記事を書きながらそのときのことを思い出しました。


 

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2件のコメント

[C157]

とても興味ぶかく読ませていただきました。

いろんな人がいるのでそれをお互い認め合えい、気を払う雰囲気はフランスにはあり、そういう面はとても進んでいる国だと思いました。

人間が人間らしく生活できるってとてもいいことだと思います。

[C161] あゆみさんへ

コメントありがとうございました。
いろいろな人がいるので、各自の人生を尊重する態度は尊敬できると思います。この点、人の目は気にせず、自分の生き方を模索すれば良いわけで、暮らしやすい国だな、と思います。

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プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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