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フランス語の詩の本

      今日はフランス語の詩集を紹介したいと思います。この本です。    


                詩の本


  今年の5月に、家族旅行中にサヴォワ地方のシトー派の修道院を訪れたときに修道院内の本屋さんで買いました。修道院とは何の関係もなく、近所の書店でも売っているような本なんですが、人里はなれたところにある修道院の静かな佇まいが詩を読んでみたい気持ちにさせたのか、表紙を見て手にとり、ぱらぱらとページをめくって、このシリーズは高価ではないことを知っていましたから、そのまま他の本と一緒にレジへ持っていってしまいました。


 これはHachette社が出している Le Livre de Poche Jeunesseという少年向けのペーパーバックシリーズの一冊です。少年向けペーパーバックのなかではこのシリーズとGallimard社が出しているシリーズが好きです。装丁がきれいで活字の組み方もよく、表紙の材質なのか全体の紙質なのか、手になじむ感じなのです。


 これはいろいろな詩人の詩を集めた詩集で、少年向きとあって、学校の授業で習う詩人やフランス文学史上有名な詩人の作品はほとんど全て入っています。子供でも親しみやすい内容の詩を選んでいるのでしょう。わかりやすい詩が多く、楽しめます。詩人の描いたイラストなど、詩と関係のある絵もときどきあり、見て楽しめる部分もあります。

 テーマというほど厳密なものには思えませんが、いくつかの章に分けて各章に題名をつけ、それぞれの章に合う詩を入れる形をとっていて、アルファベット順や時代順に並べる事典的は本ではありません。何度も出てくる詩人もいます。掲載されている詩人はJean de La Fontaineなど古い人から現代の詩人まで。ざっと数えたら114人いました。巻末に各詩人の伝記と代表作、どの詩集から取ったのか、を簡単に説明してあります。また極少数ですが英語とスペイン語の詩を原語で収録しています。それからモーツァルトのオペラのフランス語訳やナポレオン・ボナパルト(文才もあったのですね。でも内容が軍隊っぽいです。)の作品も入っています。


各章のタイトルを挙げてみますので雰囲気を味わってください。



  • Du soliel et des étoiles dans les yeux

  • Ouvrez aux enfants!

  • Libres enfants des fées

  • Le poids du temps

  • Les joies et les peines

  • Ah! que la terre est belle!



   拙訳
   ・ 目の中の太陽と星
   ・ 子供に開放を!
   ・ 妖精の自由な子供たち
   ・ 時間の重み
   ・ 喜びと苦しみ
   ・ ああ、地球はなんと美しいのか!


 子供が学校のフランス語の授業で必ず習って暗誦したりする詩人、Jacques PREVERT Maurice CARÊME のものは多く入っていて、子供が暗誦しているのを聞いて知っているものがいくつもありました。「これ、知っている。」と思うとうれしいものですね。私自身がフランスの大学の文学の授業で勉強した詩もあり、懐かしく読み返しました。


今まで知らなかった作品で好きだと思ったのもいろいろあります。例えば、 


C’est le temps béni des vacances.
Le vent fait des nœuds d’hirondelles.    



で始まる Maurice CARÊME の« Le temps des vacances »。バカンス中に読んだので臨場感がありました。



それから、

Je te donne ce poème,

le mot arbre, le mot maison,



で始まるJean JOUBERTの«Je te donne ce poème»。著作権の関係で全部ご紹介できないのが残念です。


 でも何か一つ紹介したいと思い、これを選びました。日本では堀口大学の訳で有名なポール・ヴェルレーヌの作品です。学生時代、友達がフランス語の授業でこの詩の朗読を聴いて、フランス語の音がすごく美しいと思った、と言っていたのを思い出します。季節的にも、もう秋ですしね。


Chanson d’automne

 

Les sanglots longs

            Des violons

      De l’automne

Blessent mon cœur

             D’une langueur

     Monotone.

 

Tout suffocant

 Et blême, quand

       Sonne l’heure,

Je me souviens

 Des jours anciens

       Et je pleure ;

 

Et je m’en vais

 Au vent mauvais

        Qui m’emporte

              Deçà, delà,

              Pareil à la

      Feuille morte.

 

                  Paul VERLAINE




 
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8件のコメント

[C117] 表紙が良いですね

明るい雰囲気でふと手が伸びる表紙です。
詩は簡単そうに見えて実は難しいジャンルです。でも内容が完璧に理解できなくても、フランス詩は声に出すと美しさを体感できますね。翻訳家さんたちが、あの言葉のリズムを壊さず日本語に置き換えることは難しい、と仰るのがよく解ります。

日本の学校教育ではあまり詩に時間をかけませんが、フランスではよくあることなのですか。暗誦なら多分のえさんだと思いますけれど、小学生がジャック・プレヴェール......う〜む......(唸りながら退場)

[C121] きれいな表紙ですよね。

私が表紙に惹かれて手を伸ばしたのを分かっていただけてうれしいです。今手元にあるので見ていますが、間近で見ても味のあるイラストです。

 詩の暗誦はチッチですよ。この本の一番最初に収録されているのがMaurice CARÊME のLe chat et le soleilという詩なのですが、チッチが小学校に入って一番最初に暗誦したのがこの詩でした。他にもプレヴェールなど、いろいろやってました。小一の時が一番暗誦が多かったです。
 今週から中学の2年目に入るのえは、この年になると暗誦は少ないのですが、モリエールの戯曲の一部の暗誦をしていました。(授業では全編読むんですよ。)古典的な文体なので難しいですが、学校でやらなかったらなかなか読まないので有難いと思いました。
 のえは去年音楽の時間にプレヴェールの詩に曲をつけて歌となったものを習ったらしく、CDまで買ってよく歌っていました。そのCDもいずれ紹介したいと思います。

[C285] フランス詩の暗誦

はじめまして。フランス語の暗誦、私も興味あります。フランスの小学校でよく暗誦される作家(上にあげてくださっていた作家以外で)を何人か教えてくださるとうれしいです。またその作家の作品のなかでもこれは絶対フランス人は知っている、みたいな典型的な詩のタイトルなんかも教えていただきたいです。よろしくお願いします。

[C287] cocoさんへ

 コメントありがとうございます。
 フランス人なら誰でも知っているものとなると、Jean de la Fontaineの le corbeau et le renard やla cigale et la fourmiですね。後者は拙ブログに全編掲載されています。リンクを入れておきますね。
http://franceonsen.blog114.fc2.com/blog-entry-39.html
 それから詩の朗読が聞けるサイトを紹介したことがありますのでよかったら参考にしてください。カテゴリーの「ネットでフランス語」の「フランス語の聞けるサイト」という記事に入っています。

[C296] ありがとうございました。

大変参考になります!
またお願いなのですが、、よく暗誦に使われる作家はPrevert やCaremeなど上げてくださった作家以外にももう少し何人か紹介していただけると嬉しいのですが。よろしくお願いします。

[C300] cocoさんへ

 上記のJean de la Fontaineもよく暗誦されています。あと、詩人ではないですが、Molièreも子供が何度か暗誦していました。
 その他の詩人は、よくわかりません。ときどき暗誦の宿題が出ていますが、毎回違う詩人ということが多いからです。私が挙げた3人は何度も出てきた詩人なので、よく暗誦されていると思います。

[C304] まゆのさんへ

フランスの子どもたちはいろんな作家の暗誦をするんですね。とてもいい勉強法だと思います。私も楽しんでみます。ありがとうございました。

[C305] cocoさんへ

 そうですね。高学年になると特に古典的な文章に慣れるのに暗誦が使われているように思います。
 小学校1年生の暗誦は詩でも平易なCarèmeあたりのものを使い、文字を読むことに慣れることが目的かな、と思いました。
 楽しんで勉強できる良い勉強法ですよね。

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プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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