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南仏のシンボル Cigale シガール

  プロヴァンス地方の土産物屋でよく、写真ような飾り物が売られています。Cigale シガールと呼ばれるセミの一種をデザインしたものです。


                cigales magasin
 


 これはLes Baux de Provence レ・ボー・ドゥ・プロヴァンスという町を訪れたとき(その時の記事はこちら。)に土産物屋の店先で撮ったのですが、ここに限らず、プロヴァンス地方全域で、いろいろな形でモチーフとして使われているのが、このセミ、シガールです。

   日本ではセミは夏の風物の一つだと思いますが、フランスでは他の地方にはこの虫はいません。多分、寒すぎるのでしょう。


  つまり、他の地方の人からすれば珍しいわけで、南仏で過ごした夏の思い出の一つになり得るし、旅行の思い出に買っていく品のモチーフにもぴったり、というわけです。


 私も幾度か南仏に行き、その度にこのシガールの鳴き声を耳にしてきました。シンシン・・・・・という感じに聞こえます。多くのシガールが一度の合唱してもうるさいような音ではなく、耳に心地よいです。


 鳴き声はよく耳にしたことがありましたが、姿は土産物屋の飾りでしか見たことがありませんでした。でも今回の南仏旅行中、2度ほど姿を見ることが出来ました。下は地中海の島、Porquerolles ポルクロールで撮ったものです。(この島についての記事はこちら。)


 


         cigale


  鳴き声は近くから聞こえていて、別の通りがかりの旅行者グループが、あそこだ、あそこだ、と騒いでカメラを向けていたので、私たちもそれに加わり写真を撮りました。


 体長2.5〜3cmくらいでした。家のある図鑑で調べてたら、体長は5cmまでと書いてありました。絵柄などでは水色の羽で描かれていることがあり、手元の図鑑の絵でも透明な水色の羽に頭は緑です。そういうきれいなシガールもいるのでしょうが、これは地味ですね。


 フランス人がCigaleと聞いて思い出すのは、もちろんMidiと言われる南仏でしょうが、次に思い浮かべるのはLa Cigale et la Fourmi 「セミとアリ」でしょう。これはご存知、イソップ物語の「アリとキリギリス」と全く同じ話です。キリギリスがセミになっているんです。


 この話はFables de La Fontaine ファーブル・ドゥ・ラ・フォンテーヌという寓話集に入っている詩で知られています。詩なので、脚韻を踏んでいます。著者のJean de La Fontaineジャン・ドゥ・ラ・フォンテーヌは1621生まれで1695年に亡くなったということですから、著作権の問題がない上に、短い詩なので全文をここに掲載します。韻を楽しみながら音読してみてください。


 La Cigale et la Fourmi  Jean de la Fontaine


 

La cigale, ayant chanté

Tout l’été,

Se trouva fort dépourvue

Quand la bise fut venue.

Pas un seul petit morceau

De mouche ou de vermisseau

Elle alla crier famine

Chez la fourmi sa voisine,

La priant de lui prêter

Quelque grain pour subsister

Jusqu’à la saison nouvelle

« Je vous paierai, lui dit-elle,

Avant l’oût, foi d’animal,

Intérêt et principal. »

La fourmi n’est pas prêteuse ;

C’est là son moindre défaut.

« Que faisiez-vous au temps chaud ?

Dit-elle à cette emprunteuse.

– Nuit et jour à tout venant

Je chantais, ne vous déplaise.

– Vous chantiez ? j’en suis fort aise.

Eh bien : dansez maintenant. »


 このテキストは無料でフランス文学が読めるサイトから引用しました。赤字の単語はaoût かと思われますが、古い作品なので昔の綴りを使っているのかな、と思いそのままにしました。この単語はいろいろな綴りが存在していたようですから。


 この詩はよく知られていて、小学校のフランス語の時間に暗誦したりします。私も大学の外国人向けのフランス語講座で習い、音読のテストもありました。新聞の見出しや広告のコピーに使われることもあります。例えば、最後のEh bien : dansez maintenant というのを、ダンススクールの広告で見たことがあります。 

 


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2件のコメント

[C77] うわぁぁぁぁ!(走って逃げながら)

どうしてセミなのですか。虫はいけません、虫は。
どんな虫も平等に苦手です(笑)。いくらカラフルでも花柄でもだめですよ。しかもその写真の上から2列目、かなり大きくありませんか?

少々話は逸れますが、今、日本ではラ・フォンテーヌの『寓話』はなかなか読めません。いわゆる新刊書点で手に入るものは1種類しかないのです。ドレの挿画がついているらしいのですが、大手の出版社ではないのでどこにも売られていません...。
原文ならネットで読めますけれど、できれば1度日本語で読みたいと思っています。フランスではまだまだ読まれているのですね。良かった。

[C80] すいさんへ

私も実は虫は苦手なんです。だから個人的には絶対買わない土産物です。大きいのは25cmぐらいあったように思います。家の外壁や内庭などの壁に飾るんじゃないかと思います。小さすぎると見えないってことですよね。

ラ・フォンテーヌはフランス文化の中に溶け込んでいて、忘れられていないですよ。飾っておきたいような美しい挿絵つきの版もいくつか出ています。いずれ紹介したいと思っていますが、うちにも2冊あります。
 私がリンクをつけておいたサイトでは原文とともに白黒ですが挿絵が入っていますよ。
 そうですか。やはり翻訳はあまりないのですか。韻文になっているので、原文の持つリズムや音韻の面白さを翻訳しにくいわりに、話の中身はイソップ物語など既に知られているものに似ていて、評価されないにくいからかもしれませんね。

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Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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