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フランス語の本

    今日は最近読んだ フランス語の本を紹介します。これです。Shan Sa 著のLa joueuse de go 。「碁を打つ女」という意味です。男性だとjoueur ですが、ここは joueuseなので女性です。女性と言ってもまだ若く20歳前だと思います。中国が舞台の小説です。 


                la joueuse de go


  表紙の写真欲しさにアフィリエイトしてみたんですが、なんか写真が小さいですねー。クリックすると大きく見られるはずです。フランス人読者のコメントなども入っていますので、よろしければご覧ください。

 私がこの本に初めて出会ったのはかれこれ5年ぐらい前。フランス人の女子高校生が面白い、と紹介してくれたのです。そして去年、別のフランス人高校生(今度は男の子)がぜひ読んでください、と言って貸してくれました。でも暇がなくてそのままになっていて、今度は70歳代のフランス人女性からも、面白かった、と言われ、借りたままになっていたのを思い出し、読んでみました。推薦者三人が口をそろえたように、この本を評して言った言葉は original。他と違っている、という意味で、これは非常な褒め言葉です。

 読んでみて、確かにoriginal だと思いました。これはラブストーリーなのでしょうか?一応そうかなーと思うのですが、普通の恋愛小説とは全然違います。


 作者のShan Saは1972年に中国生まれた中国人で、1990年8月にフランス政府給費留学生として来仏。何冊かの本を発表していますが、全てフランス語で書いています。フランスの文学賞をいくつか取っているのですが、この本も例に漏れず、Prix Goncourt des lycéens という高校生が審査する文学賞を受賞しています。中国人でフランス語で文学活動をしている作家は他にもいるそうですが、この人はその中の若手だそうです。


 1990年の来仏後、1992年にフランスのバカロレアを取得。1994年に哲学の勉強を終え、なんと画家バルチュスの秘書を2年間務めた、と経歴には書いてありました。そのときにバルチュスの妻、節子夫人に日本文化の手ほどきを受けたのだとか。この小説には日本人が出てきますし、日本の古典文学からの引用も出てきます。絵も描いていて展覧会も開いているらしいです。多才な人ですね。


 特異な経歴にも興味がわきましたし、12歳の頃に中国での詩の全国コンクールで一等を受賞したということからも早くから文才が認められていた人なんだな、と思いました。あの人数の多い中国で、どんな分野にしろ一位を取る、というのは並大抵なことではないのではないでしょうか。


 バイカルチャーな人にも、このごろ興味を持っているので、今後この作家の別の作品も読んでみたいと思っています。


 手元に本があるので、せっかくですから紹介します。(Hくん、ありがとう。ちゃんと返しますねー。)


   Place des Mille Vents, les joueurs couverts de givre sont pareils aux bonshommes de neige. Une vapeur blanche s’échappe des nez et des bouches. Des aiguilles de glace, poussées sous le rebord de leurs toques, pointent vers la terre. Le ciel est de nacre, le soleil, cramoisi, tombe, tombe. Où se situe le tombeau du soleil ?

 

   Quand l’endroit s’est-il transformé en lieu de rendez-vous des amateurs de go ? Je l’ignore. Les damiers gravés sur le tables de granit, après des milliers de parties, sont devenus visages, pensées, prières.

 

 [拙訳]


 千風広場で、霜に覆われた打ち手たちは雪だるま同様だ。鼻や口から白い息がもれる。彼らの縁なし帽の端にできた氷柱が大地に向かっている。空は真珠色をなし、深紅の太陽が沈む、沈む。太陽の墓はどこにあるのだろうか。

 

 いつ、この場所がご愛好者の溜まり場になったのだろうか。私はそれを知らない。花崗岩の台に彫られた碁盤目は、おびただしい数の対局の後、顔、思考、祈り、となった。


 文学作品の翻訳を私がしていいのか、と疑問には思いましたが、一応翻訳をつけておきました。なんだか原文のあとに緑字で拙訳を入れる癖がついていまして・・・。


 現代の文学ですから、読みやすい文体ですよね。この本を読んだ人に、ラブストーリーだと思うかどうか、意見をお聞きしたいです。


追記


Tanyaさんから、この本の邦訳が出ているというコメントがありましたので調べてみました。これです。邦訳の題が拙訳の題と同じ!ちょっと自慢したい気分でしたが、こう訳すしかないですよね。Tanyaさん、情報をありがとうございました。

 碁を打つ女
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4件のコメント

[C57] 早速「碁を打つ女」を・・

こんにちは♪先日はコメントをどうもありがとうございました。ところで、この本、タイトルからして惹かれますよね〜!是非、私も読んでみたいと思いました〜♪先月『マグヌス』の著者のsylvie.Gさんが来日した際に、各新聞社がPrix Goncourt des lycéens の過去の受賞作も紹介していまして、その中に『碁を打つ女』は邦訳版があると書かれていました。それで早速読んでみようと思っていたところです!まゆのさんのレビューを読んで作者の多才さにも惹かれました。参考になる情報どうもありがとうございました☆

[C58] Tanyaさんへ

コメントありがとうございます。参考になりましたか?良かったです。邦訳版が出ているのか気になったっていたのですが、出ているのですね。題名はどうなるのでしょう。私の訳は題として美しくない気がしたんですが、紹介という性質上勝手に違う題にするわけにも行きませんしね。私も又Tanyaさんのところにお邪魔させていただきますね。

[C59] 私も

是非読んでみたいと思いました。1990年というと私が渡仏した年と同じです。

読まなくてはならない本、読みたい本が山積みなのですが国内で入手できるようであればとりあえず本棚に納めておきたいと思います。紹介していただきありがとうございました。

[C62] Sofianさんへ

コメント、どうもありがとうございます。
私もこの本を帰したら手元に残らないので、自分用に一冊買おうかな、と思っています。今後が楽しみな作家だとも思います。私が初めてこの本を見たときはポケットサイズではなかったのですが、今はポケットサイズ版も出て、安価で手に入りやすくなっていますよ。

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プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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