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フランスの雑誌の記事 「グローバル化」

 先日からの続きで、フランスの雑誌、Sciences Humaines (人文科学)の2007年8月−9月合併号の特集記事L'autre Histoire du monde の中の4番目の記事 Nous n'avons plus d'antipodes (地球の裏はもうない)というタイトル記事の紹介をお届けします。この雑誌と特集についての過去の記事はこちら


         朝ごはん


 記事は5ページありますが、最初の見開きに大きく朝食の写真があります。上の写真はモロッコのホテルの写真で別のものですが、これと似たような内容の朝食の写真が出ていました。オレンジジュース、クロワッサン、コーヒー、フルーツなどです。バヌアツという南太平洋の島の朝食だと写真の説明にありました。


 このおいしそうな朝食を見ながら思いました。これはフランスのホテルの朝食と同じ・・・。考えてみれば、香港でも日本でもアフリカでもヨーロッパ風の朝食はあります。これは結局、植民地支配の間にヨーロッパの文化が輸出され、その後の欧米の政治的、経済的に優位な地位は続いたため、ヨーロッパの朝食が世界の朝食のスタンダードのようになってしまったのではないか・・・。グローバル化って言うけど、欧米の文化が広まっただけじゃないのか・・・。こんなことを思いながら記事を読み始めました。


 以下、青字は原文、緑字は拙訳、黒字は私です。



     Thé, café ou chocolat?   紅茶? コーヒー?ココア?



  朝食のときによく使われる質問ですが、これが15世紀に始まった不平等な世界の構築と関係があるらしいんです。絹や香辛料を求めてヨーロッパ人はヨーロッパの外に出ました。そして、砂糖、コーヒー、紅茶、カカオは欠かすことの出来ないものとなりましたが、このどれもが、ヨーロッパの気候では育たないものでした。そこで南を支配する必要が出てきたのです。




   Cette quête de l’altérité zonale laissa au milieu du XXe une marque géographique frappante : lorsque s’imposa l’idée de tiers-monde, il s’avéra que les pays sous-développés étaient alors très majoritairement situés dans la zone intertropicale, le « Sud ». Cet héritage s’ests d’ailleurs vite révélé hétérogène : les pays pauvres d’Asie orientale, les plus éloignés des anciennes métropoles, « émergent » à des degrés divers dans l’économie mondiale dès les années 1970-1980. C’est même cette apparition d’un pôle développé non occidental qui fait prendre conscience de la mondialisation. La manière dont le Monde fut construit à partir des grandes découvertes est donc largement responsable de sa géographie contemporaine.



 この別の場所の探求(南に土地を求めることですね。)は、20世紀半ばに地理的に顕著な跡を残した。第三世界という概念が出てきたとき、後進国がかなりの高率で、熱帯地域、いわゆる「南」に位置していることがはっきりしたのだ。ただし、この境遇はすぐに均質ではないことがわかった。(同じ後進国でも状況は国によって違っていたということですね。)かつての本国から最も遠く離れた東アジアの貧しい国が程度の差こそあれ、1970−1980年代から世界経済において頭角を現したのである。そして、この非西欧先進国の出現がグローバル化という現象に気付かせることになったのである。従って大航海時代以来の世界の構築の仕方は、現在の世界地理の原因となっている。


 この記事はChristian  GRATLOUPという大学の先生が書いたのですが、だから、と言っては失礼ですが、ちょっと分かりにくい時があります。拙訳が悪くて分かりにくくなっていることもあるとは思いますが、私のせいだけじゃないんですよ。


 この部分は、同じ後進国でも、西欧の植民地にならなかったアジアの国は先進国化したのに、旧植民地は第三世界にとどまり続けた。それは西欧が歴史の中で取ってきた植民地政策、領土拡張政策に起因している、ということでしょうか。じゃあ、アメリカはどうなる?と思ってしまいますが、あそこは植民地を発祥としつつも、ヨーロッパの延長となり、第三世界には入っていなかったので別なのでしょう。


 この記事の中の言葉に若干説明を加えておきます。まず、お気付きになられた方もいらっしゃったと思いますが、「世界」le mondeは普通小文字を使います。ところがここではle Mondeと大文字になっています。これについて注釈がありました。大文字のle Mondeは全人類を均等に含めた世界を指し、小文字のle mondeの指す、独立した各地域に分割してとらえる従来の「世界」は違う、新しい意味での「世界」を表すのだそうです。なんだか分かりにくい話ですが、西欧の一部と考えられる前はアメリカやオーストラリアは別世界ととらえられていたんだそうです。


 もう一点。原文中にles pays sous-développés(後進国)という言葉が使われていますが、現代では普通、les pays en voie de développement (発展途上国)という言葉を使います。日本語でも同じですよね。


 では長くなってきましたので、今回はここで終わります。あと2回ぐらいでこの記事を終える予定です。







 


    

 
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プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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