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パリの東洋美術館

 子供たちを連れてパリへ行っていました。下はパリのリヨン駅です。旅行シーズンなので荷物を持った人でいっぱいでした。

Gare de Lyon

 でもパリ市内は8月は人が少なく、交通渋滞も少ないと言われています。夏休みで出かけている人が多く、学生も帰省しているからですが、実際、商店も夏季休業中のところが多かったです。

 前回6月の週末に用があってパリに来ていましたが、その前に子供と来たのは去年の10月です。去年来た時は、パリの観光名所を中心に回ったので、今回は美術館、博物館を中心にしようと思いました。(去年の旅行の記事はこちらのリストをどうぞ。)

 

Musée Guimet

 

 最初に行ったのは東洋美術館として有名なMusée Guimet、ミュゼ・ギメーです。(上の写真です。)あまり子供に受ける美術館ではなく、外国人観光客が押し寄せる美術館でもありません。ここに行きたいと思ったのは葛飾北斎展をやっていたからです。展覧会の題は“Hokusai "l'affolé de son art" ”(北斎 芸術に狂った人)。(フランス人は北斎をオクザイと発音する人が多いです。)北斎の富岳三十六景や東海道五十三次などの一部やそれ以外にも風景画、花鳥画、美人画、風俗画、春画などが下書きと共に展示されてあるものもあり、興味深い内容でした。

 この展覧会は大成功だったようで、上の写真でも入り口の前に長蛇の列が見えますが、本当にすごい人でした。パリに着いた土曜日の午後に出かけたら凄い行列でびっくりしました。並ぼうと列の最後に近づくと係りの人がFin de visite(入館終了)という看板を持って立っていました。閉館までは随分時間があったのですが、列の最後の人が入館しても全部きちんと見られるか分からない、とかで並んで待つことも出来ませんでした。毎週末はこんな状況だとかで、大盛況ですね。

 長女と一緒に出かけていたのですが、こんなに並んでるなら絶対見なきゃ、という気になり、翌日曜日は開館30分前に行きました。

 ところがまた行列です。慌てて列に加わると、私たちの後からも人がどんどん来て、開館前にまるで遠い方まで列が出来ていました。

queue

  長い時間、外で立って待つことになったわけですが、偶然défilé de voitures de collection(クラシックカ−のパレ−ド)があり、気が紛れました。下は長女が珍しがってたくさん撮った写真の一枚です。全部で50台ぐらい通ったように思います。 

voitures

 

 余談ですが、フランスでは25年以上経った車はコレクション扱いで、以前あった毎年末に買わなければならないvignetteと呼ばれる納税シ−ルの対象外でした。数年前にこの税金が廃止されたので今は税金の点で一般車より優遇されているということはなくなりました。古さもまちまちな車の列を見ながら、良く手入れされている、と感心もし、物好きな・・・とちょっとあきれもしました。クラシックカ−の愛好会の集まりでもあるようで、家族や友人同士で乗っている車も多かったです。

 こんな突然の余興もあり、一緒に並んでいる人とおしゃべりをしたりして、開館後1時間近く待ってやっと入館することができました。常設展に向かう人も居ましたが大多数は北斎展に来ていて、展覧会場も込み合っていました。でもギスギスした雰囲気はなく、和やかでした。私と娘が絵の横に書き込んである日本語を読んだりしていると(毛筆ですし日本語も古いので全部は読めませんでしたが。)隣にいる人から何が書いてあるのか聞かれたこともありました。私は北斎の芸術に特に詳しいわけではありませんが、子供の頃からメディアで目にしてきた作品もあり、親しみやすく感じました。

 この展覧会に行きたがっていましたが、この日来れなかった夫のためにカタログでも買おうと思いましたら、カタログは売り切れで9月20日に再入荷するとのことでした。本当に大盛況だったんですね。仕方がないので娘が欲しがった北斎の絵入りのしおりを2枚買いました。

 美術館のブティックでは別の買い物もしてしまいました。それはまた別の記事に書きます。

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10件のコメント

[C889] 北斎展

北斎、すごい人気ですね、こんなにすごいとは思ってませんでした、そういえばゴッホも尊敬してたとか言ってましたね、フランスで認められるんだからすごいことです、拍手

[C891] garakuta_artさんへ

 北斎を知っているのは通の人だと思っていたので、驚きでした。北斎の絵についての姿勢を語るエピソードがいろいろパネルになって掲示してあり、みんな熱心に読んでいました。また北斎ファンのコレクター(展覧会の題名に入っている人ですが)のエッセイや北斎を紹介する本や研究書も古いものが展示されていました。
 ゴッホは浮世絵の愛好家だったと私も聞きました。モネですよ。Givernyというところにモネの家がありますが、そこを訪れた際に壁いっぱいに北斎などの浮世絵が飾られており驚いて係員に聞くと、モネ自身のコレクションだと言われました。おびただしい数で、大変なファンだったようです。印象派の画家たちに影響を与えたんですよね。ゴッホが浮世絵を真似て描いた絵を見たことがあります。本当に好きでないと出来ないですよね。

[C925] 西洋における北斎の意義

米 TIME 誌が発表した第二千年期の百人というものがあります。
http://www.tostepharmd.net/hissoc/top100people.html
非常に西洋中心的な人選で、日本人には到底認められないものですが、そこで唯一選ばれている日本人は北斎です。

西洋美術史において、北斎を含む浮世絵が与えた影響は非常に大きく、(西洋にとって)最も偉大な日本人は北斎であるという認識は珍しくないと思われます。19 世紀後半、写真の登場で絵画の存在意義が問われている時に浮世絵が輸入され、その衝撃で西洋美術はテーマと写実性から解放されました。2008-08-09 の「アムールの接吻で息を吹き返したプシケー」で書いていらっしゃるように、それまでの西洋美術は必ず意味が込められていて、「頭でっかち」という表現が正に当てはまります。しかしジャポニスムから生まれた印象派やアール・ヌーボーでは、純粋に美やスタイルが追求されています。

[C926] tsさんへ

北斎がたった一人の日本人として選ばれたのですね。改めて北斎の評価は高いなー、と思いました。タイム誌が選んだ100人のリストを見ましたが、アメリカ人からの視点なのでアメリカ人が多いですね。それでもさまざまな分野、地域から選んでいて、広範囲から選択した、という感じは受けます。ただ、このランキングって重要性のランキングですよね。エジソンが一位というのは疑問を感じるのですが。

 北斎展で見た作品はどれも構図が洗練されていて高いセンスを感じました。それから単純化された線で本質を表現するところが西洋絵画から見ると斬新だったのかな、と改めて思いました。

[C927]

エジソンが一位というのはアメリカ人のひいきでしょう。一般に発明というのは誰かがいずれ発明するものなので、発明者が誰であるかはあまり重要ではないと思います。
個人による世界史への影響という点で、チンギス・ハーンが一位ではないかと思いますが、なんと選ばれていません。

[C930] tsさんへ

 発明者が誰かはあまり重要ではない・・・なるほど、なるほど。
 チンギス・ハンがいないのには気がつきませんでした。私は14位に鄭和 Zheng Heが入っているのにも驚きました。毛沢東やマルコポーロより上位です。確かに大掛かりで先駆的だったとは思いますが、その後の世界に影響を与えたかというと、功績のわりに何の結果にも結びつかなかった、という気がしてしまうので、このランキングに入れるのは納得が行かないのですが、中国との外交上、中国人も入れなきゃ、という事情があったのかもしれません。

[C931] フランスの人選は?

鄭和は近頃、はやっているので、西洋人にはなじみ深いのかもしれません。マルコ・ポーロは本当に中国に行ったか疑わしいので、あまり上位に入れることはできないでしょう。

中国の人選はよく分かりませんね。45 位の朱熹 (朱子) は選ばれて当然としても、59 位の范寛 (水墨画) は疑わしく、67 位の曹雪芹 (『紅楼夢』の作者) に至っては何の意味があるのか不明です。作家を選ぶなら魯迅でしょう。

フランス人にとっては妥当なリストなのでしょうか。三権分立を唱えたモンテスキューは入れるべきではないでしょうかね。

[C938] tsさんへ

鄭和はフランスではほとんど知られていないように思います。中国ではTaoïsmeで知られる老子が入りそうです。エジソンはベルは入らないような気がします。あと、ナイチンゲールも知られていないでしょう。モンテスキューやモンテギューは入りそうですね。フランス史ではルイ14世ははずせませんが、世界史レベルではそうでもないのかな。
 フランス人が選んだ同じようなリストがあれば興味深いですね。人選はかなり違ってくるかもしれませんよ。英米人が減ってフランス人が増えるのは確かですよね。

[C939]

これは第 2 千年期 (1000-2000) のリストなので、老子は入りませんね。

[C940] tsさんへ

2千年期のリストでしたね。すみませーん。

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Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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