今日は子供向けの本で大人が読んでも楽しめるものを紹介しようと思います。子供向けと言っても絵本ではなく、一人で本が読めるようになった子供用のものです。
年齢別レベル別の段階を踏んでテキストの量や語彙が増えていくシリーズはフランスにもあります。たとえばRatusのシリーズ。一番下のレベルは本当に文章が少なく段階ごとに進んでいきますが、私が見たものは読んで面白いとはあまり思いませんでした。
有名なものではBibliothèque rose とBibliothèque verteがあります。(オフィシャルサイトはこちら。)roseが小学校低学年から、verteは小学校高学年から中学生むけです。歴史のある子供向け文庫で、どこにでも売られていて知名度も高いです。フランスの子供でこのシリーズを一度も読んだことがない子供は少ないのではないでしょうか。学校にもたくさん置いてあります。
今日紹介するのはl'école des loisirsという子供向けの出版社として定評がある出版社のポケットシリーズの一冊です。ペーパーバックサイズですが、低年齢向きなので普通のペーパーバックより紙が分厚く、挿絵も入っています。
実は英語からの翻訳で原題はThe Diary of a Killer Catです。なんだか物騒な題名ですが、殺人事件などの話ではありません。うちにある仏語訳版の裏表紙に
Un livre pour les enfants qui aiment déjà lire tout seuls. (すでに一人で読める子供のための本)
と書いてあります。ページ数は78ページしかありませんが、本の体裁は整っており、イラストも多いですし、字も大きいですが、絵本という感じではありません。年齢的には7歳ぐらいからのようです。
夏休みのせいかフランス語学習者さんたちのブログでフランス語の少年向けのペーパーバックを読み始めた、という記事をいくつか拝見しました。皆さん9歳ぐらいからのペーパーバックを読んでいらっしゃるようです。私がみたところでは、ペーパーバックはこの7-8歳向けと9歳以上向け、とはテキストの量や分厚さ、などがまるで違います。7-8歳向けの方が外国人学習者の初級、中級前半レベルの方が読むには量的にも語彙的にも適していると思いますが、やはり子供向けなので大人が読んで面白いものが少ないのが欠点です。9歳以上向けの方が大人の鑑賞に堪える本がやはり多いと思います。さらに11歳以上向けとなると種類も多く、子供っぽい本は少なくなり、大人も普通に読める本が圧倒的に多くなります。
その中でこの本は私が読んで面白いと思いました。もとは本屋の児童書コーナーの店員さんに薦められて長女が8歳のころに買いました。長女が読んで面白いと言ったので私も読んだのですが、ユーモラスで面白かったです。タイトルの通り、ネコが一人称でネコの視点で書いています。長男の部屋の本棚にさりげなく入れておいたところ、いつのまにか読んだらしく、小説の類はあまり好きでない長男も「面白かった。」と言っていました。文章が口語的で日常会話レベルなのでフランス語初級者の方も読みやすいと思います。翻訳なのがちょっと惜しいですけどね。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早17年。2003年からリヨンの郊外に住んでいます。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(19歳)、長男チッチ(15歳)次女奈々(10歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
まゆのさんが紹介してくださったこのシリーズなら、なんとか1冊で読めそう(?)です。
でも、簡単に手に入らないのが悲しいです。