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迷い犬を預かる

 先週の水曜日、外で遊んでいたチッチが戻ってきて、迷子になっている犬がいる、と言います。犬が1人で歩いていて飼い主が見当たらず、心配になったようです。それからしばらくして

chien perdu

「この犬だよ。」

と犬の首輪を引っ張りながら連れてきました。大人しい犬で、吼えもせずうちの庭で静かにしていました。チッチは飼いうさぎクッキーのための紐(本当は犬用のなのです。)を首輪につなぎ、とりあえずクッキー用の杭につなぎました。近所の家の犬の可能性が高いからご近所を回って聞いてみたら、と言ったら、それはもうやったとかで、レジデンス敷地内の家の犬ではない、と言います。でも留守の家だってあるわけだし、全部の家を回ったわけではないと思うんですけど。心配そうに犬の頭をなでたりしているチッチを見ていると「そんな犬、放っておきなさい。」とも言えません。困っていると、チッチが犬の写真を撮ってインターネットに載せて飼い主を探そうっていうんです。やはり現代っ子ですね。それならもうそういうサイトがあるかもしれないと思ってチッチに言うと早速検索をかけていました。すると「あったー!」という声がして見に行くと

Chien Perdu/Trouvé (居なくなった犬、見つけた犬)

というページがありました。そこにtatouage刺青)の位置が書いてあったのでチッチが早速確認しましたが、刺青はありませんでした。そのページには迷い犬センターの電話番号も載っていたので、チッチはすぐ電話しました。どんな犬か、どこで見つけたのかなど、なかなかてきぱきと説明しています。ところがそういう犬が居なくなったという届け出はないので、市役所か市警察に相談するように電話で係員から言われたようです。またチッチは市役所の電話番号などを調べていました。市役所がお昼休みで閉まっていたため、電話はあとですることにして、犬の世話を始めました。

 まずクッキーのえさ用のお皿を借りて水を入れ、犬の前に置きました。少し飲みました。クッキーの餌を試しにやったのですが、お腹がすいていないのかもしれませんが、やっぱりうさぎの餌は食べません。「カブリの人(名前は分からないのですが、カブリという名の犬を飼っている人がいて、犬を通して子供達が親しくしているんです。)のところに行って犬がどんなものを食べるか聞いてきてよ。」というと走って聞きに行き、容器に入ったドッグフードを持って戻ってきました。犬にやってみたのですが、あまり食べませんでした。お腹がすいていないということは迷子になってから長い時間は経っていないということですよね。やっぱり近所の犬じゃないかな、と思いました。

 私たちがお昼ご飯を食べ終えた頃、庭を見ると犬が居なくなっていました。チッチは血相を変えて外に走り出て、探しに行きました。チッチがテニススクールに行く時間になったのに、チッチは犬探しから戻ってきていません。困ったわ、と思って庭を見ると犬が戻って来ていました。実はもともと庭の垣根の後ろに隠れていただけのようでした。チッチのラケットを車に積みチッチを探しに出ようと外へ出ると、半泣きで自転車に乗っているチッチが居ました。「犬が帰ってきているよ。」と言うと走って庭に行き、きちんと紐をつなぎ直して、心配しながらテニスに出かけました。 

 テニスから戻ってきて、犬をどうするか相談しました。知人からはSPA(捨て犬や飼えなくなった犬を引き取り新しい飼い主が出来るまで世話をしているボランティア団体)に預けられると言われました。「SPAに預ける前に、捨てられたんじゃなければ飼い主が探していると思うから、近所を回ってみるのが一番いいと思うよ。」とチッチに言うといつも仲良くしているU君に相談に行きました。

 そしてしばらくして

「よかった、よかった。On a trouvé la propriétaire du chien.(犬の飼い主が見つかった。)」

と言いながらチッチが戻って来ました。チッチから聞いたことによると、U君は犬を見るなり、

Je connais ce chien. Il habite dans la maison de la rue de B... (この犬、知っている。B通りの家に住んでる。)

と言ったので二人でその家に向かったそうです。その家はレジデンスの外だったのですが、子供でも歩いていける距離にあったようです。犬を連れて道を歩いていると、前からおばさんが歩いて来て、犬を見て、

Oh, grazie! grazie!

と言ってとても喜んでいたそうです。イタリア人だったんですって。うちの近所って案外イタリア人が多いみたいですね私に説明したときは Prego.どういたしまして。)と得意そうに言ったチッチですが、おばさんにちゃんと言えたのかはちょっと疑問です。

 その後、カブリの人に借りた餌を返しに行き、犬の飼い主が見つかったことを伝えたようです。

 この事件で、チッチは犬が好きで世話をするのも好きだということ、必要なときは状況を言葉できちんと説明できること、ネットでの検索も出来ること、などが分かりました。案外しっかりしている、と思い、成長を感じました。

 



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4件のコメント

[C815] 管理人のみ閲覧できます

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[C818] コメントありがとうございます。

 815番の方へ。
 いつも見てくださってありがとうございます。
 本当に私もチッチがここまでしっかりしているとは思いませんでしたし、やさしい心を持っていることも分かり、うれしく思いました。
  • 2008-07-03
  • まゆの
  • URL
  • 編集

[C823] 日本では

犬、と聞くとまず「放し飼いして噛まれたら」などのイメージばかりが先行して、チッチ君のような積極的行動にまではなかなか……。お話を伺うにつけても、チッチ君の優しさや機転が印象的でした。まさに大奮闘だったわけですね!
  • 2008-07-06
  • カメ吉
  • URL
  • 編集

[C825] カメ吉さんへ

 私も、知らない犬を見ると、「噛まれたらどうする。」とか「病気に罹っていて移ったらどうする。」とか考えてしまいます。助けるとか飼い主を探すとかは、した方がいいんだろうなー、とは思っても実際には何もしないでしょう。やはりその点、子供は純粋というか、良かれと思うことを一生懸命するのですね。
 普段のチッチは、未知の人や物に対しては慎重で、尻込みする方なので、この行動には少し驚きました。犬によほど同情したのでしょうね。

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Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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