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遺伝子組み換え野菜は安全か --- 雑誌の記事より

引き続き、遺伝子組み換え野菜に関連する記事を紹介します。前回と同じくL’EXPRESSEの2008年2月14日号の記事です。

前回紹介した記事では、遺伝子組み換え野菜は消費者にとってメリットが少なく、生産者に利点があるものの、採算の点では従来の野菜と大差はない、ということが書かれていました。そういうことから、法律で遺伝子組み換え野菜を含むかどうかの表示が義務付けられているヨーロッパでは、今後一般化することはないであろう、という論調でした。

でも気になる遺伝子組み換え野菜の安全性については触れていませんでした。でもこのSont-ils dangereux pour la santé ?(遺伝子組み換え野菜は健康に悪いのか?)という関連記事がありましたので、これも早速読んでみました。

記事を抜粋して紹介します。以下、青が原文、緑が訳文、黒字が私です。

最近フランスではMON810という遺伝子組み換えトウモロコシが禁止されたそうです。そのことで遺伝子組み換え野菜の安全性が話題になりました。そのときの遺伝子組み換え野菜賛成派の意見は以下の通りでした。

…… voilà plus de dix ans que les Américains mangent des OGM, et ils ne sont pas malades pour autant !

[拙訳]
もう10人以上アメリカ人は遺伝子組み換え野菜を食べているが、だからと言って病気になってはいない。

以下はその禁止されたトウモロコシを開発した会社の社長がフランス政府に提出した書類の言葉だそうです。

« Aucun effet néfaste sur la santé n’a été observé au cours des onze années pendant lesquelles les variétés de mais MON810 ont été consommées »

[拙訳]
トウモロコシの品種MON810が食された11年間の間、健康に対する有害な影響は観察されていない。

これだと安全性が保障されたとは思いませんがそれほど危険ではないのかも、という印象は受けます。ところがですね、記事は続きます。

C’est vrai. Mais si les autorités sanitaires américaines n’ont rien remarqué d’inquiétant, c’est notamment parce qu’elles n’ont rien… cherché. Aucune étude n’a été lancée auprès des populations exposées dans ce pays. Pour une raison simple : les variétés génétiquement modifiées de soja, de maïs et de colza y sont mélangées aux autres. Impossible donc de savoir qui a mangé des OGM et en quelles quantités.

[拙訳]
それは事実である。しかしアメリカの衛生機関がここ数十年、何も懸念するようなことに気が付かなかったのは、特に何も調べなかったからである。アメリカで危険にさらされている人たちについての研究は何も行われていない。理由は簡単だ。遺伝子が組み替えられた大豆にしても、トウモロコシにしても、菜種にしても、他のものと混合されているのだ。誰がどれだけの遺伝子組み換え野菜を食べたのか、知るのは不可能である。

ということは「何にもなってないんだから、大丈夫なんじゃないの?」というレベルなわけですよね。アメリカでは表示すらなく、みんな平気で食べているのでしょうか。

前に知人から遺伝子組み換え野菜はアレルギーのもとになるのではないか、という話を聞いたので、気になっていたのですが、アレルギーの話も出ていました。

Les cas d’allergies alimentaires n’ont cessé d’augmenter au cours des dernières décennies, signe d’un système immunitaire particulièrement réactif chez nos contemporains. Or chaque OGM contient, par définition, une protéine qui n’existait pas dans la variété d’origine. Il convient donc de s’assurer que celle-ci ne risque pas de déclencher une réaction de défense de l’organisme.

[拙訳]
ここ数十年の間、食品アレルギーは増え続けている。食品アレルギーは現代人において特に反応の強い免疫システムである。遺伝子組み換え野菜は全て、その性質上、元の品種には存在しなかった蛋白質を含んでいる。だからこれが人体の免疫反応を引き起こるリスクがないかどうか、確かめなければならない。


知人から聞いた話と同じです。でも特に研究が進展しているわけではないようです。
しかし、一応安全性の検査は動物実験によってされているようです。

Actuellement, tout nouvel OGM doit d’abord être servi comme « plat principal » pendant trois mois à des rats avant d’être autorisé ? Le problème, c’est d’interpréter le check-up des rongeurs.

[拙訳]
現在は、全ての新しい遺伝子組み換え野菜は、許可される前に、まず3ヶ月間ねずみの主食として使わなければならないことになっている。問題は、このねずみのテストをどのように解釈するか、ということである。

研究者によってねずみの内臓類に異常が見られたという人と、異常があったとする研究を間違いだとする研究者がいるようで、テスト結果の解釈も一つではないようです。

 
 さらに思うのですが、人間と動物は食べる物が全く同じではありません。動物で安全だったからと言って人間にも安全であるとは保障できないように思います。また、食べてすぐ病気になることはなくても、何年も摂取し続けると異常が出る、という場合もあるでしょうし、何代もたってから遺伝的に異常が出る、ということもあるかもしれません。こういうことは研究所での動物実験のみで分かることではないと思います。これではいつまで経っても「一応今のところ、特に危険だということはないようだ。」という域を出ません。自然に存在しており、人類が歴史の中で食物としてきた他の植物とは基本的に違うのではないでしょうか。

 というわけで、この記事を読んで、遺伝子組み換え野菜の安全性については、まだよく解明されておらず、今後の研究も難しいのではないか、と思いました。だかたやっぱり遺伝子組み換え野菜の栽培はやめて欲しいような気がします。

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2件のコメント

[C608]

こんにちは!
確か、井上美穂子先生のラジオ講座応用編で、この遺伝子組み換えの話を扱ってらしたことがあり、(日本語部分で)興味深く聞いた覚えがあります。
アレルゲンとなる野菜でも、遺伝子レベルで入っているとどのように出て来るか予測できないし、とにかく未知なことが多いようです。
私は、クローンと一緒で自然でないことなので、受け入れたくない思いはありますが、価格の差が出ていたときにきちんと選べるか?という悲しい思いがしました。

[C614] はちゃぶさんへ

 へー、NHKのラジオ講座でもこの話題を扱っていたのですね。NHKの語学講座には思い出がいろいろあり、愛着を持っているので、同じ話題を偶然扱ったのも、なんとなくうれしく思います。
 本当に、クローンもちょっと不気味な気がしますが、やはり遺伝子をいじるのは人間には無理なのかも、という気が少ししました。だって結果をすべて予測できませんから、どうしても無責任なところが出てしまうのではないかと思うのです。
 価格の差がはっきり出たら、きちんと選べるか、それもそうですね。極端に遺伝子組み換え野菜が安かったら迷ってしまいそうです。でも今回扱った記事によると、値段が別に安いわけではなさそうです。じゃあ、買わない、と思った私でした。

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フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

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