Voilà quatorze ans que les organismes génétiquement modifiés ( OGM ) sèment la zizanie chez les consommateurs et divisent les chercheurs, les industriels, les agriculteurs et les responsables politiques. Quatorze ans que ces OGM, sur lesquels on s’apprête à légiférer en France, suscitent la polémique. Les uns prétendent qu’ils sont inoffensifs pour la santé, protègent l’environnement en limitant l’usage des pesticides et constituent la seule solution au problème de la faim dans le monde. Les autres, José Bové en tête en France, affirment qu’ils sont toxiques, polluent les sols, contaminent les autres cultures et réduisent la biodiversité.
[拙訳]
遺伝子組み換え野菜はここ14年間、消費者に間に不和の種をまき、研究者や実業家や農家や政治家を対立させている。フランスで遺伝子組み換え野菜についての法律を制定しようとしているが、遺伝子組み換え野菜は14年間、論争を巻き起こしてきた。遺伝子組み換え野菜は健康に害を与えず、殺虫剤の使用が減るので環境を守り、地球の食糧難を救う唯一の解決法だとする者がいる一方、フランスではジョゼ・ボヴェを代表されるような、遺伝子組み換え野菜は有毒で土地を汚染し、他の耕作地に感染し、生物の多様性を減らすとする者もいる。
遺伝子組み換え野菜が世に出回るようになってから既に14年経っているわけですね。その間に耳にしたことは上記の部分に簡潔にまとめられています。消費者としては、遺伝子組み換え野菜は本当に健康に害があるのか、栽培され続けるメリットは何なのか、が気になるところです。
Depuis quatorze ans, la polémique n’a cessé de se focaliser sur les risques, à tel point qu’on semble avoir oublié la raison de la présence des OGM dans les champs et dans les assiettes. Mais à quoi servent-ils au juste ? Qui en tire bénéfice ? Comment expliquer leur développement fulgurant ? Ces questions se posent d’autant plus que la quasi-totalité des OGM n’offrent aucun intérêt particulier pour le consommateur : ils n’ont pas meilleurs goût, ne sont pas plus nutritifs, ne se conservent pas mieux et coûtent aussi cher que les variétés conventionnelles. L’unique raison de leur présence est non pas d’améliorer les plantes, mais de faciliter le travail des agriculteurs. …… Mais peut-on évaluer leur efficacité sur le terrain ?
[拙訳]
14年間、論争はリスクの有無に集中していて、そのため畑や食卓での遺伝子組み換え野菜の存在理由を忘れてしまったようだ。しかし遺伝子組み換え野菜は結局、何の役に立つのだろうか。誰が利益を得ているのだろうか。遺伝子組み換え野菜の急激な発達はどのように説明すればよいのだろうか。ほとんど全ての遺伝子組み換え野菜は消費者にとって何の利点も与えないだけに、ますますこれらの疑問は強くなる。遺伝子組み換え野菜は味の点でも、栄養面でも、保存の面でも、従来の品種に比べて優れているわけではないし、値段も同じぐらいである。遺伝子組み換え野菜の唯一の存在理由は、植物を改良するためではなく、農家の仕事を楽にするためである。・・・しかし実際にその効果を計ることはできるのだろうか。
なるほど、遺伝子組み換え野菜って味が美味しいわけでも長持ちするわけでもないんですね。どうりで消費者が見向きもしないはずです。農家の手間が省けるから栽培しているわけですか。
記事ではここでSylvie Bonny という研究者が紹介されています。Inraという研究機関に属する彼女は、アメリカでの遺伝子組み換え野菜の採算性についての研究を発表したところだそうです。その研究結果について記事は説明しています。
Les conclusions de cette méta-analyse ont de quoi laisser perplexe. Elles montrent d’abord que le soja transgénique et le soja conventionnel ont des résultats économiques équivalents, malgré le prix plus élevé des semences. « La différence apparaît de prime abord favorable à l’OGM, mais si le soja normal est écoulé dans un circuit « garanti sans OGM », il sera vendu plus cher et l’écart devient finalement négligeable », estime la spécialiste de l’Inra.
[拙訳]
この分析結果には困惑させられるものがある。まず、遺伝子組み換え大豆と従来の大豆は、種子の値段が高いにも関わらず経済的に同じ結果が出ている。「まず最初の違いは、遺伝子組み換え大豆が有利になっています。でも普通の大豆が『遺伝子組み換え無し保障』の流通ルートで売りさばければ、高い値段で売ることができ、差は最終的には問題にならない程度になってしまいます。」とインラの専門家は言う。
ここの部分では遺伝子組み換え大豆と普通の大豆のどちらの種の値段が高いのか明記してありませんが、前後関係から遺伝子組み換え野菜の種のほうが高いということですよね。
経済的に見ればどちらも大した違いはないということですが、環境保全に対してはどうなのでしょうか。記事によると、ある除草剤に強い遺伝子組み換え大豆があるのですが、何年も使うと雑草に耐性が出来てきて、除草剤の高価がなくなるのだそうです。だから大量に除草剤をまくことになるのだとか。これじゃ意味がありません。ではどうして栽培が続けられているのでしょうか。
Si les OGM ne sont pas nettement plus rentables ni plus « écologiques » que les autres, pourquoi les agriculteurs s’obstinent-ils à choisir ce type de culture ? D’abord parce que cela facilite leur travail, au moins à court terme, selon la chercheuse. Le désherbage des champs, indispensable à la pousse du soja, est une tâche très contraignante qui être effectuée à un moment précis, peu après la levée des graines. Les OGM offrent une plus grande souplesse d’utilisation, car ils permettent de traiter pendant une période plus longue et en une seule « passe ». Cela réduit les besoins en main-d’œuvre, limite les rotations des tracteurs et fait gagner beaucoup de temps, un avantage hors de prix…
[拙訳]
遺伝子組み換え野菜が採算性が高いわけでもなく環境に良いわけでもないとすれば、なぜ農家はその栽培にこだわるのだろうか。研究者によれば、それはまず遺伝子組み換え野菜は農家の仕事を、少なくとも短期間の間、軽減するからだ。大豆の芽には欠かすことの出来ない畑の除草は芽が出てからすぐしなければならず、融通の全くきかない作業である。遺伝子組み換え野菜は、除草剤の使い方に融通性を持たせることが出来る。より長い期間の間にまけばよくなり、一度で済ませられるからだ。このことは手間を省き、トラクター運転回数を減らし、時間を節約することが出来る。値段の付けられない利点である。
農家にとって有利だから栽培が続けられているのですね。記事の最初の方に書いてありましたが、遺伝子組み換え野菜はアメリカ合衆国と南アメリカで多く栽培されており、地球の全栽培の7パーセントにあたるらしいです。アメリカでは食卓にかなり入り込んでいるそうですが、ヨーロッパのスーパーマーケットではほとんど見かけない、と記事にあります。アメリカと違い、法律で遺伝子組み換え野菜の有無を明記しなければならないことになっているからのようです。ただフランスでも油やポップコーンに使われており、市販のソース類やビスケット、缶詰、お惣菜の中には含まれているそうです。また家畜の飼料となる穀物類には表示の義務がないですから、かなり使われているのではないか、ということです。だから肉にもある意味、遺伝子組み換え野菜が含まれているわけです。
遺伝子組み換え野菜が栄養豊富で美味しくて、不毛な土地にも栽培できる、となれば利点も増えてきますが、今のところそういう品種は開発されていないようで、採算を見込みやすい除草剤に強い品種や、害虫に強い品種のみが出回っているようです。しかしこれって消費者にとっては特にメリットがないわけですよね。値段が安いならメリットがありますが、そうでもないようですし。じゃあわざわざ健康に害があるかもしれないものを買うことはないじゃないか、ということになります。少なくてもヨーロッパでは遺伝子組み換え野菜を含む商品は明記して販売することになっているので、スーパーなどに堂々と並ぶことはないのではないでしょうか。
興味深い記事ではありましたが、この記事は遺伝子組み換え野菜の安全性については触れていません。それについては別にもう一つ記事がありましたので、次回紹介します。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
遺伝子の変化は何万年も時間をかければ人間にも起こりうることで、それを急速に科学の力でやっている抵抗と、それがもたらすほかの生物への影響は本当にまだはかり知れない分野ですね。
とくに、農業国であるフランスにおいてはいくら酪農・農業の簡略化を求めた先に遺伝子組み換えの作物があったとしても、抵抗が強いのではと感じました。
とても為になる記事ありがとうございました。
また、訳もお疲れ様でした。
このような記事(海外の視点で)を目にすることはなかなかないので非常にありがたいです。