Entries

フランスのテレビ雑誌の記事の紹介

 Téléramaの園芸の記事についての続きです。原文を見ながら見ていきましょう。この記事の要約が見たい人はこちら


  テレラマ3
 


 ぺージをめくってもきれいな庭の写真が続きます。この記事はこれで終わりじゃなくて、もう1ページあるんですけどね。全部で5ページの記事です。


 この手の雑誌は記事の冒頭は記者の文才の見せ所なのか、凝った文章が多くて、初級者は最初で嫌になってしまうことがあります。でも実は導入部分を読まなくても記事の主旨が分からなくなるってことはまずないと思うので、読み飛ばしてもいいと思います。


 

この記事も例に漏れず、冒頭の文学っぽい部分が終わったあと報道文らしい文章になってずっと読みやすくなるんですけど、だからと言って全部飛ばしてしまうのももったいないので、写真の中の赤い大きなCの直後ぐらいから引用します。申し遅れましたが、記事を書いた記者はSophie Cachonと Luc Le Chatelier;、写真はAlexandre Petzoldです。Télérama 3002号(2007年7月28日~8月3日)22−26ページからの引用です。原文は青字、拙訳は緑字、黒字は私です。


Les Français, peuple paysan, semblent ne pouvoir se passer de ce corps à corps avec la terre, désormais asservie à leur passion du jardin. Le jardin! Témoin de cette folie, le philosophe Michel Foucault le décrit comme un territoire "hors de banal: à la fois la plus petite parcelle du monde et la totalité du monde", tant on y met de rêves et de fantasmes. Bref, un petit morceau de paradis qui n'a pas de prix. Mais qui a fait beaucoup consommer. Pourtant, après trois décennies d'insolente progression à deux chiffre, le marché du jardin stagne. En 2006, 0.6% d'augmentation seulement, et 2007, avec son printemps pourris, s'annonce très médiocre.


農耕民族フランス人は、土に体を触れ合わせることないでは済ませられなくなり、これからは土は人間の庭への情念の奴隷となっていくようだ。庭!庭への情熱の証人、哲学者ミッシェル・フーコーは、庭を「平凡とはかけ離れた、世界最小の土地であると同時に、世界の全てである領土」のようだ、と書いている。それほど人は庭に夢や想像をつぎ込むのだ。要するに値段のつけられない楽園の一隅というわけだ。が、この一隅は多くを消費させた。それにもかかわらず、園芸市場は30年の間、二桁の途方もない伸びを見せた後、停滞している。2006年はたった0.6%の増加に過ぎず、2007年は天気の悪かった春とともにかなり芳しくない兆候を示している。


この部分、始めのほうは文学的な書き方ですが、Pourtant、(拙訳では「それにもかかわらず)ぐらいから報道文らしい文章になってきている気がします。ここに挙げた原文中初めのほうは、corps à corps とかpassion とかfantasmeもですかねー、色っぽい単語が並んでヤバイ雰囲気が若干漂っている気がします。(こんなこと思うのは私だけ?)下線を引いた部分はon y met tant de rêve et de fantasmes のtant が前に出ていて、私にとっては最初分かりにくかったです。


それにしてもなんだか雑誌の記事しては文学の香り高い文章だと思うのですが、訳文にその香りが出ていなくて残念に思います。すみません。


で、なぜこの頃園芸市場の売り上げが伸びないのか、という分析に入るわけですが、識者の意見を出す前に、庭仕事の大変さに触れています。この部分は園芸関係のフランス語の語彙が凝縮されていいます。ボキャブラリーのチェックに便利だと思ったので引用します。


.......il faut tondre, tondre, tondre: vingt-cinq à trente fois par an, c'est un fabricant de tondeuse qui le dit! Ce qui laisse encore quelques week-ends pour tailler la haie, planter les bulbes, arracher les ronces, ramasser les feuilles, pester contre les taupes, retirer les bulbes, fumer la terre.


 芝を刈って、刈って、刈らなければならない。年間25回から30回、と芝刈り機の製造元は言っているのだ!それであと何度かの週末は以下のことをするために残っている。垣根の剪定、球根の植え付け、茨の除去、落ち葉集め、モグラ退治、球根の除去、土に肥料をやること。


なんだかこの部分を読んでいたら身に詰まされる気がしましたよ。って大袈裟か。でももぐら退治以外、全部やりましたよ。しかし、この部分の文章、リズムがいいですよね。


で、本文は続きます。庭仕事に疲れて、気分転換に園芸店や園芸展示会などに行って、つい買い物をしてしまう。平均30ユーロ。もっとずっと高い金額を払う人も多いそうです。高いお金を払って買って、上記のような苦労をして植えても思ったようには育たない。



On les plante plein d'espoir et l'on se plante souvent.


 希望を持って植えるが、よく失敗をする。


なんか日本語に翻訳するとつまんないですけど、原文は語呂合わせのようになっていて面白かったので引用しました。planter (植える)とse planter (再起動詞と呼ばれるものですが、自分を植える、から間違える、という意味に使われるちょっとくだけた言い方です。)が続けて出てきて面白いと思いました。


さてここで、専門家の意見が紹介されます。


...... la journaliste spécialiste du jardin Patricia Beucher constate cette lassitude. Elle y voit la fin d'un modèle. Celui qu'elle appelle "le jardin stakhnoviste: pelouse impeccable, pas une mauvaise herbe, des fleurs neuf mois de l'année et le lumbago garanti". mais l'auteure de best-seller Le Beau Jardin du paresseux rassure aussi :" La passion est toujours là, elle a seulement fait un pas de côté, vers moins de contraintes.......


園芸専門のジャーナリスト、パトリシア・ブシェはこういう嫌になる気持ちを認めている。そしてそこに一つのモデルの終わりを見るのだ。そのモデルというのは、彼女が「スタカノヴィズムの庭」と呼んでいるもので、雑草のない完璧な芝生、1年で9ヶ月は花が咲いており腰痛も保証される、というものだ。しかし、ベストセラー「怠け者の美しい庭」 (この本欲しい。)の著者(さっきのパトリシア)は「情熱は今もあります。ただ横に一歩ずれたんです。より楽なほうにね。


下線を引いたauteure は原文のままです。auteur (著者)のタイプミスだと思われた方もいらっしゃるかと思います。auteur は女性形のない男性名詞で、これでは女性著者への性差別であるとかどうとか、でフェミニストたちの間で議論となっている、という話は聞いていました。普通-eur   で終わる男性名詞の女性形は-euseが最後に付くんですけど、結局;語尾にeを付けてauteureにしようということになった、という経緯は昔大学の講義で耳にしました。でも実際に書いてあるのを見たのはこれが初めて。使われてるんですねー。大学の偉い先生はフランス語の派生体系を無視している、とこの変則的な女性形に反対していましたが、私はこれは耳で聞いたときの抵抗感を減らすためだと思います。口で言えば同じ発音ですから、話す時は耳障りではないですし、書く時にこっそりeをつけてフェミニストの主張に従う、ってことじゃないでしょうか。


これで、現在の傾向を述べているわけですね。これが結局結論なんですが、このあと、園芸の歴史を軽く振り返ります。要旨にも書きましたが、19世紀から1960年代は庭は野菜畑が主流だったのが、珍しい植物のある美しい庭を志向するようになり、1963年ごろから現在あるような大型チェーンの園芸店が出てくる。植物を商品として消費していく時代になったわけです。こういう傾向への拒否反応が現在の状況である、と記事は分析しています。


そして


....il s'agit de vie, pas de commerce!


 これは生きることであって、商業ではない!


という別のジャーナリストの主張が出ています。


このvieという言葉は「人生、生命、命、生活、暮らし」などいろいろ訳語がある言葉でフランス人がよく使う言葉です。


では長くなってきたので、2回に分けます。次回完結です。


この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://franceonsen.blog114.fc2.com/tb.php/15-be885ce7

0件のトラックバック

2件のコメント

[C22] おいおいおい!

ブログ作ったんだね〜。ひっそり始めてないで、もっとちゃんと宣伝してってくださいよ(笑)。
で、やはり、あなたはすごい人だった!
フランス語をもう一度やってみる気になった!(かもしれないという感じがしないでもない←どこまでも怠け者の私)
でもね、不思議なことに、ドイツに来たらフランスに住んでる時よりも、仏語が楽に出るようになったんです。
たぶん、「ドイツ語はダメだけど、あたくし、フランス語ならちょっとできるんざんすの」という、みみっちい自信がそうさせるのかと…。
これからも楽しみにしています。リンクもさせてください!

[C23] 麻さん

訪問ありがとう。本当はひっそりこっそりやるはずだったんですよ。でもはるるんさんにもバレてしまいました。同じFC2だと訪問履歴に残るしURLも出てしまうんですよね。足跡が付いてるって考えていなかったので消してなかったですし・・・。隠れてやっててどうすんだって感じですが、「私だってブログぐらいやってるのよ、ムフフ」という感じで楽しもうと思ってたんです。バレちゃったものは仕方ない、どんどん遊びに来てくださいね。ほぼ毎日更新しています。リンクもお願いします。

ドイツに行ったらフランス語が上手くなったっていうの分かります。私もフランス語を始めた時、英語が上手くなった(ような気がした)ことがあります。英語なら分かるんだけどなーって感じ。今は逆ですけど。イギリスに行ったとき「6」と言いたいのにこんな小学生でも知っている単語が出てこない。1から数えてやっと思い出しました。(汗)

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

ランキング参加中

このブログを面白いと思って下さった方は以下のバナーをクリックして応援してくださいね。

にほんブログ村 外国語ブログ フランス語へ

ブログランキング・にほんブログ村へ

人気blogランキングへ

コメントありがとう!

プロフィール

Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。

メールフォーム

ご質問・ご要望などありましたらお気軽にどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター設置してみました

リンク

管理者ページ

今のリヨンの天気は?

Click for Lyon, France Forecast

バナーをクリックすると週間天気予報も見れます。

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ