今日は8歳の息子チッチが練習している楽器、コルネットについて書きたいと思います。
コルネットは去年の9月から始めましたから、今年は2年目です。リヨンのコンセルヴァトワール(Conservatoire National de Lyon、国立音楽院、略してCNR)で習っています。
ご覧の通り、トランペットに似た楽器ですが、形が少し違います。曲がっている部分が丸っこくなっているので全体にトランペットより短くなっています。音域や奏法はトランペットと同じだとかで、トランペットとコルネットはどちらかが出来ればいつでも持ち替えて吹ける、と聞きました。
最初はチッチはトランペットがやりたい、と言って見学に行ったのですが、子供は小ぶりで持ちやすいコルネットから始め、大きくなったらトランペットに替える、と言われました。気に入ればコルネットをずっと続けてもいいそうです。私はコルネットという楽器を知らなかったので、最初は子供用の楽器かと思ったのですが、そうではなく、トランペットより暖かい音色が出る別の楽器なのだそうです。一度リヨンの国立管弦楽団のコンサートに子供たちと行きましたら、トランペット奏者二人の横にコルネット奏者が二人いて、見つけたチッチが大喜びをしていました。
長女がバイオリンをやっており、私は子供の頃ピアノを少しやったので、バイオリンやピアノの練習については少しは知っていましたが、管楽器は知識も何もなく、どんな具合に練習が進んでいくのか、見当も付きませんでした。
見学に行ったときに、担当の若い先生から、「管楽器は鍵盤楽器や弦楽器のように必死で練習する必要はありません。練習に肺を使うので長時間練習することができないんです。」と言われました。「特にトランペットはピストンが三つしかないので細かい指の動きを練習することもなく、プロでも一日2時間で十分です。楽しいですよー。」と話は続きました。そのときはまだバイオリンかトランペットかどちらにするか迷っていたチッチでしたが、どうもこの話でトランペットの方が良さそうだ、と思ったようです。(バイオリンの大変さは長女の練習を小さい頃から見ているので知っているはずです。)
さらに先生は、ヨガなどで息を吐き続けてリラックスするテクニックがあるが、トランペットは少しずつ息を吐き続けるので、ヨガの呼吸と全く同じで、気分を落ち着けるのにいい、とおっしゃいました。さらに、楽器が安いとも。
親としては楽器の値段も重要な要素ですよね。最初はレンタル出来ますが、長く続けることになれば、いずれは自分の楽器が必要になります。そのときに高すぎて買えない、というのでは困りますから。
その後、前にトランペットをやっていたという子供のお母さん方にどんな風だったか聞きました。そして、みなさんが「簡単な曲はすぐ吹けるようになる。」とおっしゃったんです。金管楽器は音がうるさいと聞いていたのですが、一軒屋なので近所迷惑の心配は少なく、「2年目にはやさしい音が出るようになって、うるさくない。」と言う方もいて、せっかくチッチが興味を持ったのだから、やらせてみよう、という気になりました。
そしてコンセルヴァトワールに願書を提出し、無事一年生として入れることになったので、楽器を見に行きました。レンタルするはずだったのですが、買った方が安いことがわかりました。レンタル代は1ヶ月18ユーロで、買う場合は350ユーロぐらいからありました。買った場合、高いものを買ったのだから何が何でも続けて、というプレッシャーを与えてしまいそうなのが気になったのですが、お店の人から「2年以内にやめる場合は購入金額の7割で引き取るシステムがある。」と聞きました。それを聞いて買うことに決定。買った方が質のいい楽器が手に入るのも魅力でした。入門者でも、もともといい音の出る楽器を使えば、きれいな音が出やすく音楽が好きになりやすいんじゃないかと思ったんです。で、570ユーロのヤマハのコルネットを購入しました。キラキラ金色に光る楽器を見たチッチが喜んだのは言うまでもありません。そして借りたんじゃなくて、これはチッチので、大人になっても使えるんだから大事にしなさい、といって渡しました。以来、大切に使っています。
さて練習はというと・・・。
アメリカで発行されたこのメソッドをメインにしています。音階練習などの基本的な練習曲と小曲が入っています。去年はこれだけをやっていました。
今年になってCornet Soloist, Level I とDuets for Cornet Students, Level I が加わり、楽譜が3冊になりました。でも練習曲も2段か3段程度の短いもので、曲も長いもので1ページで、確かに一日30分も練習していません。短いときは10分ぐらいで終わっています。
アメリカのメソッドなので、フォスターやアメリカ民謡など、日本で子供の頃、耳にしたメロディーが多く、収録曲のほとんどは聴いたことのあるメロディーです。習い始めてすぐ「大きなのっぽの古時計」やクリスマスソングを吹いていました。確かに楽しい楽器ですね。最初は音が出ないのかと思っていましたが、始めて一週間ぐらいで気持ちのいいきれいな音が出るようになり、案外耳障りでないことが分かりました。(練習はすぐ終わってしまいますしね。)不思議なことに、私が吹いても全然音が出ないんですけど。
曲目もバイオリンに比べるとポピュラーなメロディーが中心で、コンセルヴァトワールの子供のコンサートを見に行きましたが、ジャズが多くて、バイオリンやピアノとはやはりレパートリーが違いますね。単なる練習曲もリズムがお茶目だったりするんです。
この間はチッチが音階練習をしているのが聞こえていました。こういうものはバイオリンやピアノなら、タカタカタカタカと同じリズムで単調に続くのが普通だと思うのですが、チッチがやっていたのは、タラララタラララ、タラリラ、タラッララン、という楽しいリズムでした。さすがトランペット(というかコルネットだけど。)、音階もお茶目だわ、と感心しました。でもあとから楽譜を見たら、楽譜は普通で、実はチッチが勝手に脚色していたのでした・・・。こらー、楽譜の通りにちゃんとやれー。
いつトランペットに代わるのかはよく分かりませんが、チッチはコルネットの音が好きなので、ずっとコルネットでもいい、と言っています。
実は今週、チッチはイタリアの小学生との交流プログラムで、船に寝泊りしているので家に居ません。(それについてはこちらの記事をどうぞ。)コルネットを持って出かけています。クラスの楽器をやっている子たちと小さなオーケストラを編成して、先生の指導の下、イタリアの音楽の練習をしたのでイタリアの子たちの前で船上で演奏するんだそうです。イタリアの音楽というのは、チッチが説明するために歌ってくれたものはヴィヴァルディーの「四季」の中の「冬」と「ゴッドファーザーのテーマ」でした。(チッチのパートは必ずしも主旋律ではないのでチッチの部分だけ聞いても分かりにくいんです。)今頃どうしているんでしょうか。楽しくやっているといいんですが。
上の写真は10月に小さな演奏会でチッチがコルネットを吹いたときに、のえが撮ったものです。以前は恥ずかしがりで人前で演奏なんて出来ない性格だったのですが、2曲吹いてくれたので私としてはうれしかったです。
まだ始めたばかりの楽器ですが、いろいろな曲を吹いたり、友達と合奏したりで、音楽を楽しみ始めています。これからも長く続けて上手になって欲しいと思っています。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
私は生憎の不調法で歌しか歌えません……。
それと驚いたのは楽器を学ぶ環境が随分整っているのだなあ、ということです。身内がそれぞれフルートとクラリネットを習っていましたが、楽器に楽譜に稽古費に……と、中々に物入りなのです(購入する楽器のメーカーまで指定されていました。しかもお高い)
チッチくんのイタリア冒険記も是非伺いたいです。楽しい旅ですように!