ポンピドゥー・センターの作品紹介があと一件残っているのですが、昨日読んだ雑誌の記事を紹介します。(なんか久しぶり。)
紹介する記事は
Sieste tariffée (有料の昼寝)と題されていて、La Vie(この雑誌についての過去記事はこちら。)という情報週刊誌の2007年11月8日号に載っています。短い記事ですが、ちょっと面白かったので。
なぜ昼寝が有料なのか。どうもお金を払ってリラックスして昼寝できる場所があるらしいのです。なんとリヨンにあるそうで、パリにももうすぐできるとか。見出しの次のリード部分に
ça existe déjà à Lyon, et bientôt à Paris.
と書いてありました。Sieste(昼寝)専門のお店だそうです。
以下、青字が原文、緑字が拙訳、黒字が私です。
Ici, le salarié sous pression ou la mère de famille débordée paient une vingtaine d’euros pour une demi-heure de repos total, bercés par une musique douce, dans un lieu entièrement insonorisé …Et se réveillent avec une légère collation …
[拙訳]
ここではストレスの多いサラリーマンや忙しい主婦が20ユーロ程度払って、完全防音の場所で静かな音楽に包まれて、30分間の全くの休憩をすることが出来る。そして目覚めたときに軽食が出る。
記事は、20%のフランス人が睡眠不足で、それがストレスや体重の増加、心臓や血管のトラブルにもつながる、としています。だからこういうお店が出来たのでしょうが、記事の中で専門家はこんなことを言っています。
« Que la sieste soit bonne pour la santé ne fait aucun doute, cependant je trouve que ce genre d’établissement est un peu gadget… Il est préférable d’essayer de s’aménager un moment de sieste au bureau. »
[拙訳]
「昼寝が健康に良いことは間違いないですが、この種の施設は無駄なものに思えます。・・・職場で昼寝の時間を設けるようにするほうがいいですね。」
職場で昼寝?そんなの許可されるのでしょうか。でもTVのニュースでパリの会社が30分の昼寝タイムを設け、社員が屋上の寝椅子でリラックスしている様子が紹介されているのを見たことがあります。いろいろなところで目にする健康についてのアドヴァイスでも、疲れたら昼寝が良い、とか昼寝をした方が午後の仕事の効率がアップするとかよく書かれています。でも30分の昼寝に20ユーロも払うって、それほど追い詰められているのか、と心配になってきました。
記事に戻ります。昼寝は別に横にならなくてもいいそうです。パソコンの前でもいいんですって。
On peut dormir la tête sur le bras, ou sur le bureau, cela n’influe pas sur la qualité du sommeil, l’important étant de pouvoir s’abandonner pendant un laps de temps.
[拙訳]
腕や机に頭を乗せて眠ることが出来る。それでも睡眠の質には影響しない。重要なのは、しばらくの間くつろげるということだ。
そうなのか。じゃ、私も居間の肘掛け椅子や台所の椅子やパソコンの前でうとうとすればいいんですね。(やったことがあるので・・・。)
しかしこの後、記事の最後の方に驚くべきことが書いてありました。引用します。
Pas toujours facile dans notre pays, où s’assoupir au bureau est encore très mal vu. « Alors qu’au Japon tout le monde fait la sieste au travail et ça ne gêne personne. Je souhaite qu’en France on soit plus tolérant sur ce sujet. Sans compter qu’une sieste bien organisée au bureau accroît la vigilance des salariés. »
[拙訳]
我々の国では、いつも容易に出来ることではない。職場でうとうとすることはまだ大変悪く思われているのだ。「日本では、みんな仕事中に昼寝をして、誰もそれを悪いと思っていません。フランスでももっとこのことに寛大になって欲しいと思います。職場で上手く昼寝することは、従業員の注意力を高めるということを差し引いても。」
この最後の鉤カッコ中の意見は先ほどの専門家です。でも、日本ってみんなが職場でまどろんでいて普通なんですか。私の知っている日本とは違うんですけど、今はそうなんでしょうか。通勤電車の中で寝ているのはよくあると思うんですけど、この記事にははっきりau travail(職場で、仕事中に)と書いてあります。
この記事のこの部分の真偽のほどはともかく、ちょっとうれしい気もしました。フランスでは、日本についてはとかく「働きすぎる。」「仕事や学業のプレッシャーが多い。」と言われてきたと思うんです。それがここでは昼寝大国になっています。なんだか「?」なんですけど、日本の別のイメージを示していて楽しい気がしました。職場での昼寝はともかく、公園などで昼休みに昼寝をしている人は居ますよね。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
フランス語・・・確か20数年前(ほとんど30年近く前)に専攻しておりました・・・
フランスに暮らして16年ですか! しかもご主人もネィティブのお方で・・
私がフランスを訪れたのは、最初で最後の1980年代初めあたりなので、今はもうすっかり変わってるのでしょうね〜。
いや、でも日本人を、「仕事中に昼寝する!」と表現する記事あたりは、あいかわらずのフランス人らしい皮肉屋さん気質を感じてしまいましたけどね。^^