今日はフランス語の文法書について書きたいと思います。でも全部お奨めというわけではないので、注意してくださいね。お奨めのものも、もちろん後で書きます。
パリの大学で言語学を専攻していたときに、バリバリの文法家の統語論の先生が、以下の3冊を参考文献として授業で推薦していました。非常に参考になるとして、講義の中でも折に触れてこれらの本(特に最初の2冊)の記述が引用されていました。
Le bon usage : Grammaire française
Grammaire du français classique et moderne
一冊目は一般の人も対象になっている感じですが、2冊目はどちらかというと学術的で専門的、3冊目は高校生向けです。一冊目、2冊目は大学の図書館にもありましたし、たまたま義父が持っていたので借りて済ませ、一番安い3冊目だけ購入しました。3冊とも参考書なので用例は豊富ですが、練習問題はありません。
この3冊ともフランス語の本ですし、外国人向けの文法書ではないので初心者の方には絶対お奨めしません。ただ特に最初の2冊は、有名な参考書ですから、フランス語を専門になさっている方や、これから専門になさろうという方にはお奨めできます。また一般の方でもマニア的な方なら、参考になると思います。なにせ、定評ある有名な文法書ですから。
なぜ突然こんな話を持ち出したかと言うと、理由はいたって単純です。
先日寄ったすいさんのブログ「ねむたい小ウサギ」でsubjontif(接続法)のお話が出ていたんです。
接続法は日常生活の話し言葉でも使いますので、私も普段使っていますが、会話での使い方は非常に限られており、いつも同じような使い方しかしません。でも本当はいろいろな使い方があるんですよね。昔やったけど、詳しいことは忘れている、と思い、復習してみようと思ったわけです。
そこで出してきたのが、大学で推薦されて買った上記の3冊目の本。今手元にあるのはこの中でこれだけですから。で、subjonctifを索引で探し、読み始めました。
私が索引から選んだ項はInfinitif et subjontif(直説法と接続法)。どうせやるんなら、きちんとやろうではないか、と思ったんです。真面目ですねー。
その説明はこんな風に始まります。
Il est montré au §180 qu’un verbe à l’Infinitif présent est incapable à lui seul d’actualiser le procès : d’où le nom d’infinitivus (indéfini) qu’il portait dès le IVe siècle. Il ne contribue à situer le procès par rapport à un repère présent, passé ou futur que s’il est associé par la syntaxe à un verbe à l’Indicatif : ……
はー、分かるまで3回ぐらい読みましたよ。高校生用の本のはずなんですけどね。ここにはまだsubjontifは出ていないですよね。こんな感じの説明がぎっしり2ページ続きます。読み終わってみるとなんてことはない、subjonctif もinfinitifと同じで、それ自体、時制やその動作が起こったかどうかを表すことは出来ない、ってことです。そんなことぐらい、知ってる!
学術的な本ってこうなっちゃうんですよねー。分かりきってるようなことでも、検証して証明していかなければなりませんからね。「subjonctifをちょっと復習してみたいと思ったんだけど。」という純粋且つ良心的な向学心を削いでしまうじゃないですか。というわけで、この手の本は、初学者はもちろん、ちょっと分かりたい、という方も避けたほうが賢明です。
「やっぱり、これは後で読もう。」と思って(全くあきらめたわけではなく、後でまた見よう、という気持ちはあるんですよ。)、もう一冊の参考書を見ることにしました。前に紹介したLe Français de A à Z, 2004 です。(紹介の記事はこちら。)こちらにはこう書いてあります。
Le subjonctif est le mode de la volonté, du souhait, du doute, de l'interdiction, de l'éventualité...
簡潔ですね。説明はこれだけで、あと例が少し例があって、練習問題があります。しばらくこの本でsubjontifの復習をすることにしました。
せっかくこんな記事を書き始めたのですから、推薦書も挙げておいた方がいいですね。
私は手元には持っていませんが、フランス語を外国語として勉強する外国人のための文法書として次のような本があります。
Grammaire progressive du frangais (600 exercices, intermédiaire)
簡潔な説明のあとに、練習問題がたくさんあります。説明もわかりやすく練習問題も良質だと思いました。私は日本人の学生グループにフランス語を教えたときに、この本を使いました。中級レベルの本で全てフランス語ですが、分かりやすく書かれているので、中級の方なら独習もできます。
Grammaire progressive du français Niveau intermédiaire : Corrigés
上の本の練習問題の解答がこの別冊になっています。
Grammaire progressive du français, niveau avancé : Cahier de 400 exercices
一冊目と同じシリーズの上級編です。
Grammaire progressive du français, niveau avancé : Corrigés
上級編の解答です。
以下は同じシリーズの初級編ですが、全てフランス語で書いてあるので、初級の方には苦しいと思いますが、教えていらっしゃる方や基礎から見直したい方もいらっしゃるかもしれないので一応挙げておきます。
Grammaire progressive du français : Avec 400 exercices, niveau débutant (1Cédérom)
これはCD付きです。中・上級編はCDは付いていません。
Grammaire progressive français, niveau débutant : Cahier de 400 exercices
CDなしで本のみはこちら。
Grammaire progressive français, niveau débutant : Corrigés
こちらが解答です。
このシリーズは文法以外にもボキャブラリーや綴り、フランス文学を読む、というのが出ています。
Author:まゆの
フランスに住み始めて早16年。フランス語に限らず語学や語学学習にはいつも関心を持っています。フランス生活についても、個人的な視点で書いていこうと思っています。家族はフランス人の夫プー、長女のえ(12歳)、長男チッチ(8歳)次女奈々(4歳)の5人、プラス2007年8月23日から飼い始めたうさぎのクッキー。
ご紹介の参考書を早速見ました。Le bon usageは装丁が洒落ていますね。こんな格好良い本なら持ち歩いて見せびらかしたくなります。
Code du français courantはかわいらしいです。私はこちらの方が好みです。参考書は表紙で選ぶものではありませんが、日本のものはどうも実用一辺倒で...。
後半で外国人向けとご紹介くださった本ですが、解答が別売りなのですか。セットになっている方が断然便利だと思いますけれど、外国では珍しくないことなのでしょうか。
そして今でも相変わらず接続法は苦手です。